あいすまん

2016/11/24(木)00:25

パンダが桜を見た

詩・文芸(246)

高江洲満さん(故人)の詩集「パンダが桜を見た」の出版祝賀会が沖国大厚生会館で開かれた。 詩集は沖縄自分史センターから、11月11日に発行された。 高江洲さんは沖縄国際大学の近代小説研究会(1986年~98年)で活動した。ご家族や近小研の元メンバー、わたしたち沖国大文芸部OBOG、現役部員ら50人ほどが参加した。 わたしも登壇させていただき、高江洲さんの詩「盲目」を読ませていただいた。 自分の詩「会えないお前に」も朗読した。高江洲さんの詩「盲目」には、生活の苦しみの中にあってたどりついたある境地のようなものを読み取れた。 恨み節に陥ることはなく、自身の生をあるがままに受け入れる潔さがあった。高江洲さんが出演した、近小研製作の短編映画も上映された。 コザのパークアベニューなどで撮影されていた。 まぶしい日差しの下で、傘を差して歩くのが高江洲さんだった。 目をそらしたら消えてしまいそうな、詩人然とした青年だった。 男女の会話はかみ合わないが、やさしいと感じた。 不要に傷つけ合おうとはしないのは、傷つけられた苦しみを知っているからだと思った。 この人たちが生きた時代は、わたしたちと一緒だと思った。90年以降、この国の時代は止まっている。 いまだに「成長」を連呼する亡霊みたいな人たちの妄言を、信じる者はもういないと思う。 分け合うことの必要性を、誰もが学んだはずなのだ。

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