1297287 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

投資家モーちゃん日記

リース業界

リース取引、資産計上へ(19.3.8日経)
機械や設備を購入せずに借りて利用する「リース取引」に関する会計基準が変わる。今までは企業の財務状態を表す貸借対照表に記載する必要はなかったが、ルールが変わればリースの金額を明記する必要が生じる。上場企業全体の資産は17兆円増える計算。リース離れの懸念に加え、資産効率を表す指標は数値上悪化するが、国際標準並みに財務の透明性を高める。

日本の会計基準を作る企業会計基準委員会(ASBJ)が8日に開く会合で見直し議論に着手、月内の合意を目指す。慎重論も残り、実際の導入までは草案作りや意見募集などで2~3年かかる可能性がある。

国際会計基準(IFRS)は2019年1月、米国会計基準は18年12月から始まる会計年度でこれまで簿外だったリース資産も全て計上するルールを導入済み。会計基準の国際化上、日本基準の遅れが課題だった。

リースは2種類に大別される。購入に近い「ファイナンスリース」と、賃貸借である「オペレーティングリース)」だ。事務機やパソコンなどに多いファイナンスリースは既にバランスシートに計上していたが、今回対象になるオペリースが残っていた。船舶や飛行機、倉庫など耐用年数の長いものが多い。

影響は不動産や小売業、物流、海運など多方面に及ぶ。海運では船舶、空運では航空機材でリースを多く活用する。物流の倉庫もリース物件が多い。賃貸物件をオーナーから借り上げ、賃料保証するビジネスモデルのレオパレス21や大東建託では新たに多額の資産と負債の計上が必要になる。

あくまで会計処理上の問題だが、経営目標として総資産利益率(ROA)などを掲げる企業の数値悪化が投資家の判断に影響する可能性はある。財務基盤の弱い会社にとって有利子負債額の増加は重荷だ。

現行の日本基準で支払いリース料は損益計算書上の費用だが、バランスシートには記載せず有価証券報告書に注記の形で載せている。日本経済新聞社が集計した結果、合計額は約17兆円に達した。既に計上が決まったIFRSや米国基準を使う企業分も含めると計25兆円弱。日本の上場企業の資産が2%膨らむ規模だ。

リース業界への影響も大きい。代金を経費に計上するだけの簡便な会計処理は手軽なリースのメリットの一つだった。購入に比べ初期費用を抑えられるメリットは変わらないが、資産計上して毎年減価償却の処理をする手間が生じる。「オフバランスという利点が薄まれば、リース設備を利用して企業が投資する意欲が弱まる」との声もくすぶる。

税務上、損金算入できる利点については「特に大きく変わらないのではないか」との見方が多いが決まっておらず、将来税務上の取り扱いを巡り議論になる可能性もある。


リースが消える日?(18.7.1日経)
国際会計基準は2019年から、リースの機械もすべて資産とみなす。買っても借りても同じルールが日本にも適用されれば、リース本来のメリットはなくなる。手元資金の乏しい中小企業の投資意欲に水を差すと懸念する声が出ている。

三菱UFJリースの柳井社長が5月に開いたリース事業協会の会長就任記者会見は、強い危機感のにじむ発言が目立った。「リースの手軽さが薄れ、設備投資を大きく落ち込ませる恐れがある」。念頭にあるのが、リースを巡る会計変更の議論だ。

リース会社から借りるリース取引の利点の一つは会計処理が簡単なことだ。複数あるリース取引のうち、残価を設定して借りる期間を区切る「オペレーティングリース」であれば、代金を経費として処理できる。自動車やコピー機などの多くはオペリースだ。

ところが国際会計基準では19年から、すべてのリースが企業の資産とみなされる。オペリースも例外ではなくなる。資産であれば減価償却が必要で、元本と利息は分けて計算する。経費処理に比べると煩雑だ。

日本で対応が必要になるのは国際会計基準を採用している200社ほど。
リースを使ってきた企業は困惑する。ある自動車部品メーカーはフォークリフトやコピー機などほぼすべての備品がオペリースだ。財務担当者は「会計基準が変わると、手間がどれぐらい増えるのか見当も付かない」と表情を曇らせる。

リース業界には10年前の苦い記憶がある。08年、日本基準を国際基準に合わせる形で、設備全額を支払う「ファイナンスリース」が資産となり、税制も変わった。煩雑な会計処理は顧客離れを招き、07年度まで7兆円超あった取扱高はリーマン・ショックもあって09年度に4兆9219億円へ急減した。足元も5兆円前後にとどまる。

最近は長引く低金利で資金を調達しやすくなり、自己資金も豊富な大企業はリースを選ばなくなってきた。設備投資に占めるリース割合は07年の8%から直近では5%にまで低下した。

リースを巡る環境変化や会計を巡る先行きの不透明感を感じ取り、リース会社の一部は「脱リース」に動き始めている。大手の東京センチュリーは16年、社名から「リース」の文字を外した。日本のリース事業を引っ張ってきたオリックスも、今では営業収益に占めるリースを含む金融業の割合は2割程度にすぎない。


Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.