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投資家モーちゃん日記

■コモディティー化

急速なコモディティー化(16.8・6日経)
エチレンやプロピレンの供給過剰に苦しんだ日本の化学大手は10年ごろからリストラに着手した。三菱ケミ、住友化学、旭化成がエチレン設備を停止して高機能素材へシフトした。これがリストラ第1幕。ほっとしたのもつかの間、いまや高機能素材にもコモディティー化が押し寄せる。

(1)三菱ケミカルHDの小酒井CFOは中国とインドで事業撤退を決めた合成繊維原料の「PTA」について、「ビジネスモデルががらりと変わってしまった」と述べた。衣類の材料となるPTAは三菱ケミの稼ぎ頭だった。11年3月期の売上高は2500億円で5~10%の営業利益率を誇った。状況は5年で一変した。11年の利幅は1トンあたり200ドルを超えたが、中国企業が相次ぎ参入し利幅はみるみる縮小、70ドルと採算ラインの120ドルを大幅に下回った。

(2)住化も高機能素材のリストラに着手した。日本ゼオンと省エネタイヤ原料の「S―SBR」事業統合を検討中だ。ハイテク素材と呼ばれ、市場は年率7~8%伸びている。14年にシンガポールで設備を稼働させたばかりで通常なら「これから育てる」タイミングだ。だが、住化の首脳は「世界中で増産が進み、1社で踏ん張っても難しくなる」と話す。韓国LG化学も積極投資を始めた。独力で商品開発を続けるよりも、ゴムを主力とする日本ゼオンに委ねたほうがよいと判断した。

(3)化学大手が力を入れるリチウムイオン電池材料は中韓勢が追い上げに動く。

(4)日本が強い炭素繊維も韓国が国ぐるみで開発に力を入れる。

中国など新興国勢の追い上げで急速なコモディティー化が進むのは化学に限らない。みずほ総合研究所が今年にまとめた調査によれば、2000年から13年にかけて日本勢が中国勢にシェアを奪われたのは電気機械と一般機械の計186品目中7割を超えた。この傾向は強まっており、松浦エコノミストは「ここ数年は高機能品でも中国勢にシェアを奪われるケースが増えた」と言う。

日本勢が圧倒的な強さを誇った工作機械はその例だ。00年に日本メーカーの世界生産高シェアは29.2%で世界トップだったが、中国や韓国企業などの台頭で価格競争に巻き込まれ13年は16.8%に低下した。いまはさらに下がっているとみられる。中国の家電大手、美的集団が独産業用ロボット大手クーカを買収するといった動きもコモディティー化を加速させる見通しだ。

新興国勢の追い上げはスマートフォンや電子部品など多くの分野に広がっており、高機能品を開発しても「技術的な優位は数年ともたない」(松浦エコノミスト)。どの事業を残し、どこから撤退するか。迅速な意思決定の重みがますます増している。


▼コモディティー化 製品の機能や品質で他社と区別ができなくなると価格だけの競争に陥る。この状況を脱するために高付加価値商品へシフトしても新興国企業の追い上げを受け再び価格競争に巻き込まれる。これが果てしなく繰り返されることがコモディティー化のワナ。新興国は経済成長を続けるために高機能品に力を入れており、コモディティー化のスピードが速まっている。


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