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投資家モーちゃん日記【株の適正値】

2010.10.23
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カテゴリ:海外事情
前回に引き続き、石平氏著「中国の経済専門家たちが語るほんとうに危ない!中国経済」を読みました。
中国経済の実態が分かりやすく解説されています。

(本の要点・引用)
これまでの中国の高度成長を引っ張ってきたのは「輸出」と「投資」だった。

「輸出」は国内の低賃金と低エネルギー資源コストで成り立っていたが、人民元の引き上げやサブプライムローン破綻以来の欧米経済低迷の影響で伸び悩んでいる。

「投資」はインフレ進行、不動産バブル増幅懸念からもう限界にきている。

かといって「消費」は、これまでの経済が低賃金をベースに成長してきたので、大きな伸びは期待できない。
むしろ、賃上げは外資系企業の中国からの撤退を促すことにもなる。

そんな中、現在中国政府は輸出激減によって生じた経済危機を救うために、「4兆元投資計画」と「集中豪雨式の融資放出」という景気対策を実施しているが、資金の約半分は不動産投機に流れ、残りの半分はそのほとんどが地方政府や国有大企業の大型建設プロジェクトに注ぎ込まれている。

社会保障制度が未整備で分厚い貧困者層が存在している中で、今後更にインフレが進行したり、不動産バブルが崩壊すれば、深刻な社会危機と政治危機を招く可能性がある。

今の中国経済は「進むも地獄、退くも地獄」の状況である。

(輸出)
●輸出の主力商品は衣類や玩具などの低付加価値のものだから「低価格戦略」でいくしかない。そのために為替レートを低く押さえる必要がある。
●07年の中国経済の対外依存度はGDPの36%以上となっている。
(投資)
●GDPに占める投資の比率は1980年代の30%から45%にまで上昇。経済は完全に「投資依存症」のいびつな構造になってしまった。
●「投資」は公共事業投資が中心で、大型インフラ建設がほとんどなので、経済の持続的成長にはつながらない。
●09年の全国の不動産購入額は、個人消費総額(12兆元=156兆円)の半分の約6兆元にも上った。
●不動産投資が増えることで、鉄鋼、セメント、建材、家具、運送、広告など60以上の産業が潤ってきた。
●09年の中国全土の不動産平均価格は25.1%も伸びた。上海・北京等の6大都市に至っては、09年1年間で60%も伸びた。
2010年1-3月、70の大中都市で毎月平均10%程度の伸びを記録したという。
●2003年の北京市中心部の分譲マンション価格は4000元/m2だったが、現在3万元台に突入した。一方北京市民の08年度の1人当りの可処分所得は2万4725元。上海市民の住宅購入のための負担はパリ市民の11倍。
●去年の不動産購入者の6~8割は住むためではなく、むしろ投資のために購入したことが分かった。
(消費・貯蓄)
●GDPに占める個人消費の割合では、アメリカは70%程度、日本は60%前後だが、中国は37%(2006年度)しかない。
その原因は次の二点にある。
(1)医療保険など社会保険システムの不備
(2)貧富の極端な格差(人口の10%を占める高収入層の収入額は全体の50%)
●今の中国の国民全員の貯蓄額は21兆元。一人当たり1.57万元。病気の診察だけで数万元、大学に行くだけで6,7万元かかる。
(失業・倒産)
●毎年就職できない百数十万人の大学卒業生、年間1200万人の都市部新規失業者、常に失業状態にある農村部1.2億人の余剰労働力など。
10年3月22日には、温家宝首相自ら「中国の失業者は2億人」と発言した。中国の労働人口は9.6億人と推定されているので、失業率は20%以上に上っていることになる。
●2009年6月の中国社会科学院の調査結果によると、中国にある4200万社以上の中小企業の40%がすでに倒産、40%が倒産の危機に直面しているとのこと。
(インフレ)
●08年に入ってから、人件費やエネルギー資源・材料費の高騰が消費財価格の上昇を促した結果消費者物価指数が急騰して深刻なインフレとなった。
(官僚の腐敗)
●官僚の腐敗の蔓延は国民の怨念を生み出し続けている。


(コメント)
◆こういった中国内部の詳しい経済情報は日本人の専門家などからはなかなか聞けないものです。
どちらかというと、日本では的外れの情報が多いように思われます。
さすが石さんですね。

◆今の中国政府の置かれている立場は、「人民元レートは上げられない」、「インフレは許容できない」、「不動産バブルは崩壊させられない」ということですね。
これじゃ八方塞がりだ。

◆経済の成長とは「消費と生産が増えること」といわれていますが、中国の場合は長年労働者の低賃金を武器に経済成長をしてきたので、消費を伸ばすのはそんなに簡単なことではないかも知れません。

◆因みに、下記表は主な国のGDPの内訳を%で示したものです。
「民間最終消費支出」がこんなに少なく「総固定資本形成」がこんなに多い国、即ち「個人消費」が少なく「投資」が多すぎる国は中国以外にはみられません。

2008年の支出項目別国内総生産(名目GDP,構成比)
国(地域)通貨単位国 内

総生産
国内総生産に対する割合(%)
民間最
終消費
支  出
政府最
終消費
支  出
総固定
資  本
形  成
在庫品 増  加財貨・サービスの純輸出
日本 10億円 505,11258192300
中国10億元30,06737144725
インド10億ルピー54,5495511345-5
インドネシア10億ルピア4,954,0296182801
韓国10億ウォン1,023,9385415292-1
タイ10億バーツ9,400541127-13
マレーシア100万リンギ738,677451320-123
米国10億米ドル14,0977117170-5
カナダ10億カナダドル1,60356202312
メキシコ10億ペソ 12,0396610225-2
アルゼンチン100万ペソ 1,048,020571327-36
ブラジル10億レアル2,92661201910
イギリス10億英ポンド1,4436422170-3

◆また、中国のGDPに対する輸出総額の比率は2008年は約32%、2009年は約24%です。
輸出依存度が非常に高いことを示しています。

◆このように輸出や投資をこれ以上増やせない中で、中国が成長を続けるには、個人消費を増やすしかありません。
そのためにやらねばならぬ事は、国民の経済格差を解消し、社会保障システムを整備することです。

◆ただ、民主主義国の場合は地方の政治家などは地元住民が潤うように努力するのが普通ですが、独裁国家などでは、逆に住民から富を巻き上げようとする傾向にあります。
そうやって考えていくとやはり、政治の仕組みを変えない限り消費の大幅な拡大なんて無理なのかも知れません。

◆中国株に投資されている方は、この本は必読です。
インフレが進んで中国社会が混乱したり、バブル崩壊で中国経済が大混乱する場合にある程度備える必要があると考えます。

◆もしそんな事態になれば、世界経済にも大きな影響を与えることが考えられます。
日本株も早めに売るべきです。
と言いたいところですが、私はこんな安値じゃ売るつもりはありません。
ただ、中国の政治・経済の混乱の影響を大きく受けそうな日本株を持っている場合は、なんらかの対策を講じておくべきではないかと思います。


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最終更新日  2010.10.25 17:04:30
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