毛利修三の一言

2010/10/02(土)13:03

RE: 2日の日記

次は、水産問題についてであります。 宇和海の魚類養殖は、ハマチが昭和36年、マダイ が昭和40年代半ばから始っております。 当時、ハマチの需要は多く高値であったうえに、 宇和海が養殖漁場として最適であったことから、 生産量は急速に増加、昭和54年のピーク時には 4万5千トン、生産額はピーク時の昭和56年には 379億円にも達しておりました。 養殖マダイも、平成10年にはブリ類の生産量を上 回るまでに増加、平成2年以降は生産量全国1位を 保つなど、宇和海の養殖業はミカンとともに、まさ に基幹産業として、南予の経済を支えて参りました。 しかしここ数年、飼料価格は上昇を続け、生産過剰、 消費者の魚離れや不況による需要の落ち込みで、魚 価は、年によっては生産原価を割り込むまでに低迷 し、養殖業は誠に厳しい状況に置かれております。 活力を失っている南予の立て直しのためにも、何と しても基幹産業である、この養殖業の再生を図って いかなければなりませんが、そのために早急に進め なければならない一つが、市場価格の高い新魚種の 開発であり、いま一つが、海外への販路拡大である と考えております。 そこで、第1点目の新たな魚種についてであります。 ご案内のとおり、日本は世界一のマグロの消費国で、 年間約37万トンを消費しており、また世界一の マグロ輸入国でもあり、中でも日本人が好むクロ マグロについては、クロアチアやトルコなど地中海 沿岸諸国をはじめ、世界中から年間約2万3千トン を輸入し、国内消費を補っております。 しかし、この日本の食卓には欠かすことのできない クロマグロも、世界的な資源の減少が危惧されてお り、資源保護のための漁獲規制や取引規制が、国際 的に厳しくなる中で、国内では、マグロの安定供給 を可能とする、クロマグロ養殖への期待が高まって 参りました。 養殖業としてのクロマグロは、市場価格も、キロ 3千円以上と高く、成長も早いので、生産者に とっても大きな魅力があり、クロマグロ養殖は年々 拡大、本県においても、宇和島市と愛南町で23業者 が取り組み、現在では、約4万匹が養殖されていると 言われ、生産量も2007年に25トン、2009年 には53トンと、倍増しております。 しかしながら、注目を集めているクロマグロ養殖は、 いけすが35から50メートルと大きく、稚魚の価格 も高いことから、多額の資金を要するうえ、養殖技術 も、いまだ確立されていない点もあり、これを採算 ベースに乗せるには、多くの課題があることも指摘 されておりますだけに、養殖業の救世主と言われる、 クロマグロ養殖の課題解決に向けた、県の取り組みに 大いに期待を寄せているところであります。 そこで、お伺い致します。 クロマグロ養殖が、今後ますます増加することが予想 される中で、漁場環境への影響等も心配するところで あり、海洋環境に配慮した規制も必要と考えますが、 養殖業の持続的発展を含め、クロマグロ養殖にどの ように取り組まれるのかお聞かせ願います。 第二点目は、海外への販路拡大であります。 先般、農林水産省から「世界的な景気悪化で、ここ2 年間、前年割れが続いていた農林水産物の輸出額が、 2010年1月から6月期は、前年同期比18%増の 2401億円まで急増、特にアジア向け高級食材が好 調だった」との発表がありました。 輸出先のトップは、香港で、米国、台湾と続き、伸び 率では、ベトナムが前年同期比実に2・3倍、中国が 3割増と、アジア向けが全体額を引き上げた、という ことでもあります。 世界の各地では、今も日本食ブームが続き、すしを はじめ魚料理が、健康食として人気を集めております。 特に最近では、5千万人とも言われる中国の富裕層の 高級魚志向で、消費量が急速に伸びており、この傾向 はベトナムなどにも見られ、高級魚の消費量は、中国 を中心に、世界各国で確実に増えるものと期待して おります。 折りしも、今年5月には、県も支援し、県産水産物の 中国への輸出拡大に向けて、愛媛産水産物輸出促進 共同企業体(JV)が設立され、養殖ハマチを中心に 輸出を計画しております。 そこで、お伺い致します。 県は、輸出経費に大きく影響する輸出検査手続きの問 題も含め、この共同企業体を軌道に乗せるために、 いかに、支援していかれるのか、また、欧米への販路 拡大はもちろんですが、アジア各地へ向けての水産物 の販路拡大を、いかに促進していかれるのか、お聞か せください。

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