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=昇(アルミニュウム)=ライモ・ウトゥリアイネン(フィンランド)作
積み重ねられたアルミの板がつくり出すリズミカルな構成。
数学と建築学の知識に裏打ちされ、北欧の光にも似た透明感のある空間を生む。
=野外美術館シンボルレリーフ(アルミニュウム)=向井良吉・作
野外美術館の入り口壁面を軽やかに彩る銀色の枝は、
実物の枝から直接型取りして作られた。
金属的な荒々しさと植物の繊細さをあわせもつ。
=浮かぶ彫刻・札幌(ポリエステル=マルタ・パン:ハンガリー・フランス・作
3つの浮かぶ彫刻は、風や水の流れを受けて刻々と向きと位置を変え、
静と動の微妙な変化が、安らぎを与える
=空と地の軌跡(ステンレス)=伊藤隆道・作
北国の空と大地の間を、終わりのない輝く一本の曲線が行き来する。
作品を見ながら歩くと、まるで動いているかのように表情を変える。
=門ー1=
入り口となる高さ7メートルの門。内側に貼られた金箔が神聖な光を発し、
これからはじまる日常とはちがう世界を予感させる。
=丘=
二つ並んだ直径7メートルの草のドーム。平らな芝生を見慣れた視覚を刺激し、
私たちが立つ地面の存在を意識させる。
=日時計の広場=
高さ7メートルの柱の影の向きが時を知らせる。大要が真南に来たときに柱の隙間から差す陽が
地面の真鍮プレートを照らす。それは国内共通に定められた12時ではなく、太陽の動きから見た
この地の本当の正午。影の長さは日々変化し、季節の経過を感じさせる。
=七つの泉=
幅・奥行き1.4メートルの四角い噴水が一列に7個並ぶ。
吹き上がる水の数や止まるタイミングに注目。
=円錐=
高さ7メートル、直径も7メートルの円錐。森の中から尾詰めた音がリアルタイムで響く。
床中央に札幌の「眠れる雪」。この地の特徴として、
カラヴァンは冬に訪れたときの風景が強く印象に残っているという。
=水路=門ー2=
幅7メートル、全長70メートルにわたって蛇行する溝を水が勢いよく流れている。
水の流れは、イスラエルで生まれ育ったカラヴァンにとって生命の象徴。
門ー2:「門ー1」と同じ門。造形物から自然を感じる部分の終わりを告げるとともに
自分の感性のみで自然と対話する部分への入り口。
~ダニ・カラヴァン(イスラエル)~
7つの造形物を巡り歩き、森の中の小さな庭へと至る作品。その途中のさまざまな出会いや
体験の中で、時の流れや、いままであまり木にとめていなかった太陽の光、風、水、雪、
鳥のさえずりなどの自然の語りかけにあらためて気づくことでしょう。感覚を研ぎ澄まして
この地ならではの自然との対話を楽しんで下さい。自然のなかに、あるいはそれぞれのなかに、
隠されていた何かを見つけることができるかもしれません。
=ウィグ(アルミ合金)=清水九兵衛・作
内から盛り上がったような曲面が左右にゆったりと広がる。
日本の伝統的な朱と、鈍いアルミニュウムの光沢との調和とがあいまって、
温かみと緊張感を感じさせる。
=雲の牧場(ステンレス・帆布)=新宮普・作
五つの帆は風に吹かれて舞踊る。目に見えない自然からのメッセージを伝えるように。
=ふたり(ブロンズ)=朝倉響子・作
よく似た二人の女性がゆったりと腰をおろしている。洗練された女性美が漂う。
台座のない作品は、見る人と親密な関係を生む。
=そりのあるかたち(御影石・ステンレス)=澄川喜一・作
植物の発芽、あるいは弓のように、解き放たれんばかりのエネルギーを秘めた「そり」の形。
富士山の稜線や日本刀の形など日本の伝統的な美的感性にも通じる
「そり」によって、緊張感ある空間を見せる。
=人物1000(鉄)=ホルスト・アンテス・作
自然と人物、過去と未来、生と死をひとつのものと考えるインディアン部族がある。
そこに伝わる人形に影響を受けたこの作品は、原始と未来をも結ぶ人間の姿を表す。
=池の反映(ブロンズ)=ナイジェル・ホール(ドイツ)作
よく見ると同じような形が二つづつ組み合わされている。
水に映った世界のように身近にありながらも現実とは別の世界の関わりを求めている。
=目の城'90(御影石)=新妻寛・作
どっしりとした4個の石の目が空に浮かぶ。細かく刻まれた線は、
光の状態でさまざまに表情を変える。塊と線によって、秩序と統一が生まれる。
=ダイナモ(コールテン鋼)=下田治・作
直線と平面が鋭角的に複雑に構成されている。
火花が散るかのような強いエネルギーを感じさせる。
=ポートランディア(ブロンズ)=レイモンド・カスキー(アメリカ)・作
札幌市の姉妹都市ポートランドの市民から、木造のパピリオンとともに贈られた。
市章に描かれている女神を彫刻にした作品。
ポートランド市役所には高さ11メートルの同じ像が設置されている。
=走行世界(ブロンズ)=田金鐸(ティエンジンズウ)・作
札幌市の友好都市新瀋陽市(中国)から贈られた作品。
ダイナミックな躍動感とたくましい精神力が単純化した形から強く感じられる。
=関係項(鉄・石)=李禹煥(リウハン)・作
鉄板は鉄板として、石は石として、素材固有の性質をもつ、
それらが組み合わされた時、作品として新たな世界を生み出す。
=人物(木:カシ)=ハンス・シュタインブレンナー(ドイツ)・作
人間が直立する姿を極限まで単純化した作品。
人間の精神の本質に迫るために、余分なものを取りさっていく行為を重視している
=ミクロ(ブロンズ)=秋山沙走武・作
静かに腕を組み瞑想するかのような女性像に、
未来の理想郷に思いをはせる弥勒の姿を重ねている。
=波の重なり(御影石)=中江紀洋・作
時代のおねりのなかの人間の生活を、波に託して語る。
単純化された波が量感をともなって訴えかけてくる。
=月下(安山岩)=中井延也・作
不思議な生き物が月明かりの下で静かにたたずむ幻想的な世界。
=鳥になった日(御影石)=山本一也・作
粘土を手の中で握ってできた形をヒントにつくられた。
生命感あふれる柔らかな形は木々のなかにとけ込んでいる。
=石翔ぶ(石・鉄・銅)=小清水漸・作
石が翼を大きく広げている。空に憧れつづけた人類が数世紀前に考えたような翼の形。
未完成であるために空への思いがさらにつのる。
=ウレシクテアノヨトコノヨヲイキキスル(ステンレス)=最上壽之・作
階段を降りて空を見上げると、別の世界への入り口のように周囲から
切り取られた景色が広がる。カラフルな4本の足が、もたつくようでユーモラス。
=椅子になって休もう(ポリエステル)=福田繁雄・作
「イスニナッテヤスモウヨ」の語りかけに応えて、見る人までが
作品の一部になってしまう、黄色い人間の数に21世紀への夢を託している。
=彩霞燈(ブロンズ)=一色邦彦・作
木の精霊を擬人化した女性像が、木々のなかに静かに立つ。
知恵の神ふくろうをたずさえて、迷い人をやさしく見守るように。
=若きカフカス人の追幻想譜(ブロンズ)=鈴木実・作
北海道出身の著名な彫刻家中原悌二郎の代表作「若きカフカス人」と対比させた新たな人間像。
人間の形を解体し再構成した時に生じるズレに新たな美を求める。
=ユカタンの女(ブロンズ)=細川宗英・作
ユカタン半島のマヤ遺跡でみつけた一片のレリーフに感じた、消えゆくものの哀れさと、
なおも存在を主張し続ける魅力が、女性像に託されている。
=SAPPORO‘90(御影石)=速水史朗・作
石でできているとは思えない、斜面を這うような柔らかな形。
うねりや平らな面をもつ作品には、札幌の歴史と未来が託されているという。
=ひとNO.16-1(御影石)=高橋清・作
古代メキシコ文化に共鳴した神秘的で象徴的な世界観。
昼と夜、光と闇、神と人、生と死などの切り離すことができない概念や
人間存在への問いかけが、白と黒の対比のなかに表されている。
=夏引(御影石)=下川昭宣・作
「夏引」とは鎌倉時代の名牛の名前。そしてまた夏引きの繭の糸のように、
力強さと繊細さをあわせもつ。札幌芸術の森の彫刻アトリエで製作された作品。
=交叉する赤錆の壁(コールテン)=保田晴彦・作
重厚な壁と細やかな格子が組み合わされ、遺跡や都市の風景をイメージされる。
無機的ななかに人間の営みの気配を漂わせる。
=うつろひ(ステンレス)=宮脇愛子作
空に自由に線を描いたような8本の曲線が、小高い丘の上で風景ととけ合う。
=こだま(ブロンズ)=山本正道作
2本の樹をモティーフにした作品が置かれた空間は、そこだけがゆっくりと時間が
流れているような、どこか懐かしい牧歌的な雰囲気を漂わせる。
=風と舞う日(ブロンズ)=峯田敏郎
春の訪れの歓びが二人の少女に託されている。少女たちは心軽やかに風に舞う。
=コタンクルカムイの詩(ブロンズ・木他)=米坂ヒデノリ・作
木々や笹に囲まれたおごそかな雰囲気のなかでコタンの人々の守護神である
フクロウは墓標を見守る。永遠の森への願いがこめられている。
=石のやさしさ=
=内と外=
=ゆくえ=
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