もいっか★フィンランド

2008/11/08(土)18:44

「オバマ大統領誕生」の持つ意味

ブルシット時事・国際関係学(127)

「関係ない人まで騒いでいるな」というのがこの米大統領選の印象でした。まあ、筆頭は日本の小浜市でしょう・笑。僕がチェックするヘラルドトリビューンにも小浜市が紹介されてました(Japan's Obama town celebrates namesake's victory )。なんかヘラトリもタブロイド化してますな。 前にも書きましたが、僕の周りのアフリカ人はオバマ氏を応援していて、当選にはしゃいでいるんですね。それも彼らがオバマ父方の出身国ケニアというわけではなく、西アフリカなんですが。ちなみにケニアでは当選した日は休日になったとか、また生まれた子供に「バラク」「ミッシェル(オバマ夫人)」と名づけているとか。小浜市とやっていることはあまり変わりませんね・笑。 「アフリカ系」、「黒人初の大統領」、「人種対立解消」がおそらくキーワードになるのでしょう。しかしこの見方に少し疑問を呈したいです。これまでも色々メディアをチェックしたのですが、「オバマ大統領誕生」の意味合いについて、納得する論評がまだ得られていません。 オバマ氏は両親が黒人と白人のミックスであり、厳密には米国マイノリティの代表です。選挙戦はその辺りもUnite!と強調したと思います。黒人票だけでは足りないので。あとオバマ政権はアフリカについてはあまり関心は持たないと思います。アフリカ政策について、ほとんど言及していないですしね。だからアフリカ人の「勝手連」を思い切り失望させるでしょう。 「黒人初の大統領」というのは、黒人とくに貧困層に希望も持たせるのでしょうが、反面、大きな挑戦にもなります。ぶっちゃけた話、今までは自分たちの境遇を人種差別を言い訳に出来たんですね。それが「オバマ大統領誕生」でそれが不可能になる。単にお前の努力が足りない、となる。やがてここでも大きな失望をもつ連中が出てくると思いますね。 「人種対立解消」の一歩にはなったのでしょうが、まだ先は長い。というか今回、人種は争点にならなかった。そもそもオバマ当選の要因はブッシュ共和党政権(の失策)や直近では金融危機です。米国の保守勢力自体はまだ頑強ですし、いづれstrike backするでしょう。 「オバマ大統領誕生」はケネディ以来のフィーバーだといわれています。そのケネディ(もしくは弟ロバートだったかな?失念)がいみじくも、「米国の人種対立解消には、あと50年から100年はかかる。その頃には異人種間婚、混血が増えて、白人、黒人の区別がなくなるから」と述べています。あのケネディすら楽観視はしておらず、もう混血が進むのを待つしかないという態度だった。それぐらいこの人種問題の根は深い。 面白いのは、ケネディが登場して約半世紀後の現在、オバマが登場してきた。そして彼はその白人と黒人のミックスである。まさにケネディが予測した「解決」を地で行ったような存在なのです。一方で60年代生まれの彼の存在は稀でもあります。ハワイの土地柄が比較的良かったわけで、南部州では「バラク・オバマ」誕生しなかったのではないか。 僕も本質的な人種問題の解決は、人口構成に変動が生じることしかないと思っています。解決の一つメルクマールに上げたいのは、黒人あるいはマイノリティの大統領が「共和党」から誕生することです。ライスかな。

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