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NTT出版から、昨年12月に発刊された。
副題「ロストジェネレーションの社会学」と、 表題「失われた場を探して」が、 本書の内容を的確に示している。 著者は米国人であり訳者もいるのだが、 これが原著である。 内容からしても、日本向けの本である。 著者は、ジェンダー問題の研究家であるが、 本書は、主に日本の若い男性を扱っている。 著者は、参考文献として、 古典的名著「タテ社会の人間関係」をあげている。 中根千枝の、この本は、参考文献というより、 本書に重要な影響を与えている。 本書のテーマは、「場」の変容への「対応」である。 ニートなどで称される世代に、 「ロストジェネレーション」という言葉を使っているが、 失われたのは、 「ジェネレーション」ではなく、「場」であるとする。 失われた過程についても論じているが、 豊富な調査データに根ざしているところに価値がある。 アメリカと日本の職業体系を比較しながら、 論を進めているので、ある意味、説得力がある。 バブル崩壊後の不況に絡めて、論は進むが、 さらなる不況に突入しようとしている、今、 政府は、何をなすべきか? 若者自身は、どう考え行動すべきか? 彼らの親は、彼らを、どう扱うべきか? そのヒントが、本書の中にはありそうである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.24 17:10:22
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