109419 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

おそらのうえで。

おそらのうえで。

*スキってキモチ*



「ほんとにもう帰っちゃうの?」


 駅のホームまで見送りに来ておきながら

 彼の顔を覗きこみ

 そう問い掛ける。


 「今日お前それ聞くの今で5回目」


 くすっと笑って君は私のおでこを
 
 ぴんっと弾く。


 遠距離恋愛が始まって半年。


 *スキってキモチ*



 会えない日が続くと

 改めて君をスキだってこと

 思い知らされるの。

 
 お盆だから帰ってきた君。

 折角帰ってきたのに

 一緒にいれた時間はほんのわずか。


 「もっと一緒にいたかったのになぁ・・・」


 ちょっとふくれて

 そんなわがまま言ってみた。


 「オレも出来ることなら一緒にいたいけど・・
   明日バイトあるし・・・」


 向こうで始めた塾の講師のバイト。

 こっちに帰ってくるためのお金も

 そのバイトでためたらしい。

 休むわけにもいかなくって


 ・・・

 「私よか生徒のほうがかわいいんだ・・」


 握ってた手に

 力が入る。

 本心でそんなこと言ってるわけじゃないんだよ。

 君に迷惑かけるつもりはない。

 でもね・・・

 だって・・・

 
 うつむいてふてくされる私の手を

 力強く握り締めて君は言う。

 
 「小学生にやきもちやいてどうすんの(笑)」

  
 君のその笑顔は

 君に会えなくてつらかった日々を

 一瞬にして消し去ってくれる。

 たとえ一緒にいる時間が短くても

 私がツライ思いをした以上の幸せを

 君は与えてくれる。

  

 「何そんなに見てんの?
    オレの顔になんかついてる?」

 
 君といる時間は
 
 君をずっと見ていたい。

 君にもずっと
 
 私のコトをみていてほしい。

 そんなわがまま

 口にすることもできないまんま

 時間はこくこくと過ぎてく。


 
 “1番線に参ります電車は~・・・”


 アナウンスが流れ出して

 ホームに電車が入ってくる。


 
 「今度はいつ会える?」

 
 「時間が出来次第また帰ってくるから」


 「いつ出来る?」


 「まだ今はわかんない」


 「ちゃんと連絡ちょうだい」

 
 「わかってる」

 
 「約束だよ?」


 「うん」


 なんとか長引かして

 君をひき止めていたい。

 
 いつまでも離したくない手。
 
 帰る手段がなくなれば
  
 君ともっと一緒にいられるのに・・・


 なんてバカなことを考えながら
  
  今日、最後のキスをする。
  
 

 「スキだよ」


 「私も」


 「じゃぁまたな」


 「うん」


 「浮気すんなよ」


 「そっちもね(笑)」


 
 
 見えなくなるまで
 

 振られる手には
     
 まだ君の温もりが残ってる。




 
  会えない時間よりも

 
 お別れのときに一番
  

 君をスキだって気が付くんだよね。



スキな人に会うとサヨナラするのが嫌になる。
時間が過ぎるのが早くって
すっごいいやになる。

最終電車が11時52分なのにムカつく。

「バイバイ」
って手を振って、スキな人の背中をみたら
「あぁ・・・スキだな」って感じる。

そんなかんじ(笑)







* ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * 

感想やメッセージ残してもらえると嬉しいな(^^)
bbs

読んで下さってありがとうございました☆
良ければ他の作品もどうぞ☆
Top



© Rakuten Group, Inc.