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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*君のスキなモノ*

 



 「俺、猫スキなんだよね」


 そう言って君は

 校庭に住みついてる猫を抱き上げた。


 「・・・私はキライ」


 そんな君を横目に

 私は猫のシッポをひっぱった。


 *君のスキなモノ*


 「お前、ほんとトマトすきだな」


 休日の昼下がり。

 久し振りの君とのデート。

 ランチのサラダにのっかってるトマトに
 
 かぶりつく私をみて

 君はクスクス笑ってそう言った。



 「うん。君はキライでしょ?」

 
 君のキライなトマトは


 「大嫌い」


 私はスキ。





 「あ、あのバイクいいなぁ~」


 大通りに面したバイク店に並んだ

 バイクを見て

 君は目を輝かせた。


 「やっぱバイトすっかなぁ・・・」

 
 君のそのコトバに


 「バイトなんかしちゃったら
   こうやって遊べなくなるじゃん・・・」


 落ち込む私を見て

 君はバイクを指差して言ったんだ。


 「でも、アレあったら海でもどこでも
  スキなとこいけんのに」


 
 「・・・でもイヤ」



 君はね

 いろんなものに興味があって

 たくさんのモノに気がいっちゃう。


 私と一緒にいても

 私を見てくれる時間なんて

 他に比べれば少なくて

 いつもなんだか

 不機嫌になっちゃうんだから。


 ねぇ・・・君はそんな私に

 気付いてる?






 「私ね 君のスキなものはキライ」

 
 「どうしたの?急に。」


 「だって・・・」


 君がスキなものがあると

 君は私をみてくんない。


 君がスキなものがあると

 君のキモチは

 まるごとそっちに

 もってかれちゃうんだもん。


 校庭のネコに嫉妬して

 バイクにまでも嫉妬する。


 でもね

 君のキライなものはスキだよ。

 だって

 君のキモチ

 持ってったりしないんだもん。


 「何それ」

 
 私の話を聞いて

 君はクスクス笑ったんだ。


 「じゃぁ・・・俺が一番スキなものは
   君が一番キライなものなわけ?」


 君の問い掛けに

 ちいさくうなずく私。

 

 君が一番スキなモノなんて

 私の一番の敵だもん。



 そして君は言ったんだ。



 「それじゃぁ君が一番キライなモノって
    『君』になっちゃうんですけど」


 日本語って難しい。。。


 う~ん・・・って

 頭を抱える私に君は

 にっこり笑って言ったんだ。



 「俺が一番スキなモノって
    君なんですけど」




     君のスキなもの

   スキになってもいいかもって

      ちょっと思っちゃった。









スキな人に合わせて
スキな人がスキなモノをスキになる(ややこい日本語になったけど)
って、よく聞く話。
やっぱ趣味とか好みが一緒っていうのは
大切な要因になってくるってことなんかなぁ。。。

でもきっとこう言う子もいるっしょ?
彼がスキなモノ多いと
自分のことよかそっちにばっかキモチがいって
自分なんか二の次ってかんじになってるって。

私は・・・どっちかっていうと前者かな。
スキな人のスキなものはスキ。
一緒の目線で一緒のもの見てたいなぁ・・・って。


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bbs

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