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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*あたしの彼氏*

 


「きらいなんかじゃないよ」


 君はいっつもそう。

 恋人同士なんだから

 もうちょっと甘いセリフのひとつでも

 言ってくれればいいのにさ。


 *あたしの彼氏*


 「今度の日曜日空いてる?」


 教室の入口

 他クラスの男子生徒が

 私にデートの申し込み。


 「よかたっら一緒に映画でもいかない?」


 自分で言うのもなんだけど

 結構私、モテるんだから。


 
 彼女がデートの誘いを受けてるっていうのに

 君はいったい

 どこ見てんの?


 もうちょっと

 気にしてくれてもいいんじゃない?



 
 「今日ね、一緒にね
   映画行かないかって誘われたんだ」


 昼休みの屋上で

 私は君に

 今日のお誘い報告したんだ。


 「ふーん」


 いつも通り

 無関心な君。


 だからちょっと意地はってみたんだ。


 「行っちゃおっかなぁ・・・日曜日」


 反対してくれると思ったんだもん。

 “行くな”って

 止めてくれると思ったの。

 だって日曜日は

 私たちが付き合って1年の記念日。

 前から約束してたもんね?

 記念日は

 一緒に過ごそうって。

 
 少しの間をあけて

 君はいつものように言ったんだ。


 「行けば?」


 

 涙が溢れた。

 

 君はいつも落ち着いてて

 そんな君も好きだよ?

 君の笑顔も

 君の優しさも

 君のすべてが

 私は好きなのに  



 君はいつも冷たくて


 「私のこと・・・好きじゃないんだ」


 素っ気ない。


 「キライじゃないってば」


 もう そんな言葉聞きたくない。





 「もう・・・いいっっ」


 君の顔も見ないで

 私はその場を立ち去ったんだ。
 



 「えっ・・ちょっ・・・」


 そしたらね

 走り去る私を

 君は追いかけてきてくれたの。



 「待てってっっ」


 女のコの足じゃ

 逃げ切れるわけもなく

 君は私の腕をひっぱって

 抱き寄せた。


 「いちいちヤキモチやいてたら
    かっこ悪いじゃん・・・」


 君の早い鼓動と

 そんな君のセリフ。

 君の口から初めて聞いた

 君の本音。


 「だからいっつも見ないように
    してんのにさぁ・・・」



 なぁんだ。

 だから君はいつも

 どっか向いてんだね。


 「もう泣かないでよ・・・」


 そう言って君は

 私の涙をぬぐったの。


 「・・・なんでお前のことになるとオレ  
   こんなに余裕なくなんだろうな」


 君はとすんとその場に

 座り込んで


 「かっこわりぃ」


 照れ臭そうに笑ったんだ。


 

 そんな君が


 「スキ」


 やっぱり愛おしくてたまらない。


 「かっこわるくなんかないよ」


 思わず君を


 「かっこわるくなんてない」


 抱き締めた。



 

 「日曜日、行くなよな」


 優しく抱き締めかえしてくれる君


 「なんで?」


 なんだか悔しいから

 とぼけてみたの。


 君はちょっと間をあけて

 照れ臭そうに言ったんだ。



 「記念日じゃん。
    約束・・・してたっしょ?」



 なぁんだ

 ちゃんと覚えてて

 くれてたんじゃん。




 「ねぇ、私のこと好き?」


 「はいはい、キライじゃないよ」


 「ねぇ、好き?」


 「しつこいってば(笑)」


 
 いつか絶対

 言わせてやるんだから。

 言いたくて仕方なくなっちゃうくらい

 君を好きに

 させてやるんだから。


 もっといっぱい

 余裕なくしちゃってよね。

 
 もっと私で

 いっぱいになっちゃってよね。









やっぱスキな人にはヤキモチやいてもらいたいし
ダメなことはダメって言って欲しい。

少々かっこ悪いことしてでも
ちゃんとキモチ伝えてほしいなぁ・・・って思うなぁ。

スキな人が自分のことでいっぱいになって
かっこわるかったり
ガキみたいだったり
ばかみたいなことしてたら
またそんなとこに恋してまわん?



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bbs

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