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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*消しゴム*

 


“新しい消しゴムに
  緑のペンで
    スキな人の名前書いて
   使いきると
     両想いになれるんだよ”


  昔 ちょっとはやったおまじない。

 なんでかな。

     今 ふと思い出したんだ。


 *消しゴム*


 筆箱の中にある

 君の名前を書いた消しゴム。


 
 べつに

 そんなおまじない

 信じてるわけじゃないけど

 でもなんか

 思い出したってことは

 やれってことなのかなって

 勝手な解釈。



 昔もやったっけ。



 使い切ったって

 叶うことなかった恋。






 「ばっかみたい・・・」


 消しゴムを片手に

 呟いた。






 「何が?」


 
 「え?」


 そうやって声をかけてきたのは

 意外にも君で


 「ちょっと消しゴム借りんね」


 そう言って

 君の名前が書かれた消しゴムを

 君はひょいって

 持ってっちゃった。



 「えっ・・・あっっそれ・・・」



 引き止めるには遅過ぎて

 君はちょっと向こうの席で

 君の名前がかかれた

 私の消しゴム使ってる。




 「ま・・・見られないか」



 
 わざわざケースから出して

 使う人なんていないよね。


 うん。


 大丈夫大丈夫。



 そう自分に言い聞かせながらも

 やっぱりどきどきは

 止まらなくって


 見ているのが怖くって

 机に倒れ込んだ。




 違うことを考えよう。

 違うこと。




 今日のお昼は何食べよっかなぁ・・


 あ、シャー芯切れてたなぁ・・・


 英語の予習したっけ


 あ~・・・体育 何すんだろ




 「消しゴム サンキュウな」




 君の声に

 敏感に反応して

 起き上がる。



 
 「・・・見た?」




 おそるおそる君にそう

 問い掛ける。




 君はきょとんって顔して

 首を傾げたんだ。




 「何を?」




 よかった。

 見られてないや。




 「ううん、なんでもない」




 一安心した私に

 君はにっこり笑って言ったの。





 「それ、早く使い切っちゃってよね」





 「え?」



 
 
 「そんなに長く待ってらんないからさ」





 そう言って
 
 君はにっこり笑って

 私に背を向けた。




 「・・・え?」


 
 脳裏を過った私の予感。


 半信半疑で

 ケースから出した消しゴムには

 君の名前の下に

 君の字があったんだ。





 “予約確認致しました”




 
 おまじないって

 たまにはやってみるのも

 いいかもね。
 







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bbs

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