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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*めがね*

 

これがないと

    君の笑顔が

 見えないんだもん。


 *めがね*

 
 「メガネとったら
   なんも見えないの?」

 放課後の教室。

 日誌を書く私の前で

 君は突然

 問い掛けた。


 「見えないよ」


 全然見えないわけじゃないけど

 両眼視力0.3だと

 結構近付かないと見えないモノ。


 「そうなんだ」


 興味あるのかないのか

 よくわかんない態度の君。


  
 また戻ってきた沈黙。

 書き進める日誌。


 「スキあり」


 突然君はそう言って

 私のメガネを

 取ったんだ。



 「えっ・・・ちょっ・・」 



 ほんと君の行動は

 よく読めないや。


 でもね

 それがないとほんと

 君の顔も

 見えないんだ。


 「メガネ取ったら
   女のコかわるっていうけど
  ・・・いいじゃん、うん。」

 
 聞こえてくる声。

 きっと君は

 笑ってるんだろうな。

 
 少しでもたくさん

 君の笑顔が見たいのに

 ソレがないと

 見れないんだもん。


 「もういいでしょ?返して?」


 君の言葉に

 ちょっとどきどきしながらも

 メガネ返却の催促。

 
 「どんくらい近付いたら見えんの?」


 君の問い掛けに


 「いっぱい」


 適当に答えたら


 「これくらいで見えんの?」

 
 近付いてきたのは

 君の顔で


 「えっ・・・ちょっ・・・」


 恥ずかしくて

 顔を背けた私に


 「これまたスキ有り」


 君はそっと

 キスしたんだ。



 何がおこったかわかんない私に


 「スキなんですけど」


 余裕の笑顔で微笑む君。


 「君のキモチは
    どうなんでしょ?」


 初めて

 メガネなして見た君の笑顔は

 いつもより輝いてて


 「ちゃんとこっち向いて
    聞かせてよ」


 まだ目の前にいる君を

 恥ずかしくって

 直視出来ない私。

 君はそんな私を見て

 笑ったんだ。


 「耳まで真っ赤」


 ねぇ

 もういいでしょ?

 そろそろメガネ返してよ。

 ねぇ

 もうわかるでしょ?

 私は君が

 スキなんだから。

 ねぇ

 やっぱソレがないと

 君の顔を直視するなんて

 出来ないや。

 だってなんだか

 恥ずかしいんだもん。 


 「たまにはこうして
    見つめあってみない?」


 私のおでこに

 君のおでこくっつけて

 君はにっこり笑ったんだ。






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bbs

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