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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*君と彼女と私*



 ずっと好きだった君が

 ずっと相談にのってくれてた彼女の

 彼氏になった。


 *君と彼女と私*


 「聞いて聞いてっっ!!
 今日の朝、下駄箱で挨拶しちゃったぁ~」

 
 君と言葉を交わせた日は

 すごくすごく幸せで

 
 寝坊した朝だって

 ヤケにテンションあがっちゃう。


 そんな私の話を

 彼女はいつだって

 一緒に喜んでくれたんだ。


 「うっそ!!ほんとにぃ~?
  よかったじゃん!!今日はイイ日になるね」


 
 
 高校に入学してすぐ

 席が隣同士ってことで知り合った君。


 仲良しってわけじゃないけど

 クラスが離れた今でも

 会えば挨拶はするし

 ちょっとした会話だってある。

 友達を交えて

 一緒に遊びに行ったりもしてたんだ。


 
 そんな私の恋を

 幼馴染の彼女は

 いつも応援してくれてた。

 いつもいつも私の背中を押してくれてた。



 「チャンスがきても
  自分から掴もうとしないと何にもならないじゃん」


 高校最後のバレンタインデー。


 毎年、君にあげてたチョコだけど

 告白を意識してのバレンタインデーは

 今年が初めてで



 「絶対無理っっ!!ほんとダメだってばっっ」



 弱音を吐き続ける私の背中を

 押してくれたのは



 「逃げちゃダメ。素直が一番だってば。
   ほら、前向いていっといで」


 彼女だった。




 結局

 君にはきれいさっぱり振られて

 気が付けば高校も卒業。



 君のことを

 未練たらしく想い続けても仕方ない。

 
 そう思って

 春からの大学生活のことを

 前向きに考え始めてた3月の終り。




 「ゴメン・・・ほんとごめん・・・」




 彼女は泣いてた。



 
 君が好きだったのは

 私なんかじゃなくって

 私を応援してくれてた彼女だった。



 君は卒業してからも

 彼女のこと忘れることが出来なくて

 ホワイトデーに逆告白。


 
 「あたしね・・・」


 そうやって彼女が切り出したのは

 ほんとはね

 ほんとはずっと

 彼女も君のことが好きだったんだ。



 私に気を使って

 言い出せなかった彼女の気持ち。


 彼女の気持ちに

 これっぽっちも気付かないで

 自分の気持ちを一方的に

 彼女に押しつけてた私。


 彼女が苦しんでるのに

 これっぽっちも気付いてなかった私。
 
 
 謝るのは

    私の方なのにね。



 「私のことなんて気にしなくっていいよ!
   もう過去のことじゃん。
  ほら、私には大学でイイ男が待ってんのv」



 いつも私の背中を押してくれてた彼女の

 いつもより小さな背中を

 今度は私が押した。



 「幸せにしてもらいなよ」



 それから少しして

 君と彼女の

 幸せそうな姿を見たんだ。



 ずっと好きだった君と

 ずっと応援してくれてた彼女。



 今はまだ

 ちょっと複雑だけど

 でもいつかきっと

 ココロから笑って

 二人を祝福出来る時がくるから


 それまではもう少し


 泣いてもいいよね?








* ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * ☆ * 

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bbs

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