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♪アトリエえんどうまめ 今季洋の日記。

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2006.08.17
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これは
先程のHPからの
転記文の
続きです。




セドナの伝説

 むかしむかし、白人たちがやってくる前、イヌイットは狩りや漁をしていた。このとき、一人の優れた狩人がいた。その妻はずっと前に娘を残して死んでいた。その狩人は自分で子供を育てた。
 その子供は非常に美しい娘となり、多くの求婚者がその手をとろうとした。狩人は娘を誇りに思っていた。娘はよい衣を織ることができ、だれもそんなにうまくはできなかった。やがて狩人は誰が娘と結婚すべきかを決め、娘を傍らに呼び、「娘よ、私は夫を選ぼう。それはこの男だ」と告げた。
 娘は同意せず、選ばれた男のところに行こうとしなかった。狩人は恥じて怒り、こう言った。
「お前は俺に恥をかかせたな。俺が選んだ男を認めなかったからだ。だからお前は俺の犬のものになれ。父親の名を汚す娘にはそれがぴったりだ」
 その夜、狩人の犬は家に入って娘のもとを訪れ、その夜、夫婦となった。優れた狩人は何が起こったかを知り、またもや恥ずかしく思って叫んだ。
「娘よ、お前は犬と一緒になって俺にまた恥をかかせやがった。お前は一人になるがいい」 そして狩人は娘を連れて行って隔離した。もうこれ以上娘に恥をかかされないようにするためだ。

 しかし、犬の夫は娘を愛した。娘は優しかったからだ。そしてその愛するひとと腹の中の子供を守るために、犬は島に泳いで渡り、食べ物や毛皮の詰まった包みを運んだ。そして、娘は生き残り、何人かの人間と何匹かの犬の子供を産んだ。
 狩人はこのふるまいを知って怒り、犬に気づかれないように包みの中に思い石を詰め込んだ。そして、犬はそれを運ぼうとして泳いでいった。しかし、その包みはあまりにも重く、海は荒れていた。犬は海の底に沈んで死んだ。

 数日後、狩人は一人娘について後悔し、カヤックに乗って食べ物を運んだ。しかし、深く悲しんでいた娘は、自分の犬の子供たちに父親を襲わせたので、帰るしかなかった。父親からの報復を恐れて、娘は自分の子供たちを守ろうとし、犬の子供たちを海の皮のブーツの中に入れ、空の神々が安全に守ってくれることを祈りながら海に流した。そしてその犬の子たちは海に流れていって、白人の祖先となった。もう一方のブーツに娘は人間の子供たちを入れ、また神々に祈って海に流した。その人間の子供たちは流れていって、インディアンの先祖になった。
 こうして娘は一人になり、狩人の食糧もなくなった。狩人のもとに戻るのは恐ろしかった。狩りの前に毎日、狩人は海と娘を眺めようとしていたが、もう一度会いに行く勇気はなかった。

 ある日、狩人が見ると、娘はそこにおらず、姿を消していた。というのも、狩りに出かけている間に、カヤックに乗ったハンサムな男が現われ、美しい娘を見てそこに止まったのだ。「娘さん、私と一緒に来なさい。私は優れた狩人だから、食べ物や家を確保してあげますよ」 男が言うので、娘は付いていった。
 新しい遠く離れた家へ向かう途中で二人は止まり、ハンサムな男は上着を脱いだ。太陽が高く昇っており、カヤックを漕ぐのは大変な仕事だったからだ。娘はいきなり泣き始めた。目の前にいるのはハンサムな男ではなく、北のフルマカモメ(鳥男)だったからである。目は黒く、筋肉は盛り上がっていた。人間の着物を着る必要がなくなって、カモメはすばらしいスピードで漕いでいき、まもなく二人は巣のテントに到着した。
 時が経ったが、カモメの言葉には嘘はなかった。食べ物も、暖かい家も与えられており、娘も不足はなかったのだ。そして子供が一人できた。

 父親の狩人は後悔して娘を捜し続けていた。そして何年も旅した後、カモメの土地で娘を見つけた。父親が到着したときカモメは不在で、娘を見たとたん父親は泣き出した。
「娘よ、許してくれ。家に帰ろう」 そういって父親は娘を抱き上げ、カヤックに乗せて家に帰り始めた。
 カモメは家に帰って、妻がいないのを知った。そして妻を救い出そうとし、鳥の姿で飛んでいけば妻を取り戻せるだろうと考えた。カモメが父親を引き換えさせようとして舞い降り、その翼が水を打った。波が大きくなってカヤックをひっくり返しそうになった。父親は死ぬのを恐れて娘を投げ込んだが、娘はカヤックに指でつかまった。
 狩人は恐怖におののき、ナイフを取り出した。そして指を切り落としたのだ。それは海に落ち、アザラシになって泳いでいった。狩人はもう1本の指を切った。それはセイウチになった。狩人は3番目の指を切った。それはアゴヒゲアザラシになった。指を切るごとに、それは海の動物になった。
 ついにカヤックをつかむことができなくなって、娘は海の底に沈んでいった。海に沈むとき、月の精霊(タトケック)と空の精霊(シラ)が一緒になって言った。
「あなたの苦難のために、私たちは力を与えてあげましょう。そして、イヌイットの守護者になることでしょう」それと同時に、セドナは生まれ変わって海底の王国を築き、そして犬の夫と再会した。
 父親は逃げることができたが、ある日、娘のことを思い出して後悔し、岸辺に横たわって娘に許してほしいと訴えた。狩人が眠ったとき、潮が満ちて、娘と再会することとなった。そしてみんな海の底で暮らすようになったのだ。

 今、イヌイットが他のイヌイットや大地に逆らったとき、セドナは海の哺乳動物を供給しなくなり、海は荒れ、空は嵐となり、怒りを人々に示す。そうすると、シャーマンが海底の王国に潜っていき、その問題の原因を発見して、人々にそれを解決し、改めるよう告げる。そうすればセドナはなだめられ、天候は落ち着き、海獣たちも現れるので、イヌイット族は飢餓に陥らなくて済むのである。
 場合によっては、シャーマンはセドナを訪問するような状態のトランスに入ることもあるし、水の中で呼吸する能力が与えられることもある。セドナは櫛をもっている。シャーマンが訪れたときにはその櫛で髪を解かさなければならない。セドナは指がないので櫛を自分で持てないからだ。





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Last updated  2019.01.15 14:32:39
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