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♪アトリエえんどうまめ 今季洋の日記。

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2018.08.25
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ヒエロニムス ボッシュ派の人が描いた『聖アントニウスの誘惑』という絵です。

ボッシュ派というのは、ボッシュの門人や弟子ということになります。ボッシュが生きたのは1450年ごろから1516年で、この絵が描かれたのが1551年から1600年の間ということなので、ボッシュの死後、しばらく経ってから描かれたものであることがわかります。





この絵に描かれている聖アントニウスがどういう人であったのかは、きのうの《​こちらのブログ​》に、その出生星配置図チャートとともに、書いてあります。

この聖アントニウスが修行中に、悪魔のさまざまな誘惑と戦っている絵は、ボッシュ自身が描いた絵もあり、そちらはかなり有名ですが、ほかにもたくさんの画家がこのテーマで絵を描いています。

これらのことを踏まえてみると、この一枚の絵をアートリーディングする以前に、この絵自体が三重の意味の愛に支えられて存在していることがわかります。つまりそれは、ボッシュ派の人々のボッシュへの愛、長い間うけつがれた、人々(画家)の聖アントニウスへの愛、そして聖アントニウス自身の宗教愛です。



それでは、この絵のアートリーディングに入ってみましょう。

まず画面右側に大きく描かれている男性、これが聖アントニウスであることがわかりますが、かれは、赤色と黒色の二色の服を身にまとっています。この、赤色と黒色の色彩配置は、その多くがお母さんとの問題(テーマ)を言い表しています。

聖アントニウスが描かれているのは、画面のおよそ火星位置。そこから画面左側(中央)を見ています。つまりこの配置は、聖アントニウスが積極的に思索をしている、内面を見ることに集中しているようすを強調する画面配置であることがわかります。

この聖アントニウスの集中力のすごさは、着ている服の赤色がさらに強調していますし、またもっとよく見ると、火星位置から天王星位置にむけての背景に火事のシーンが描かれていることでまた、さらに強めた表現となっています。


聖アントニウスが向かい合っている不思議な家には、年配の女性の顔が付いています。これは、家庭を守る主婦としての母的存在が象徴として描かれていることになります。

また、女性の頭部は白い布で覆われています。白い布は、清楚感や宗教観をあらわしています。聖アントニウスの母が敬虔なクリスチャンであったことを思い起こさせる表現です。

家は茶色で描かれているので、刺激的な面白味などは無いけれど、堅実な存在であることがわかります。


また、家の入口の中には、ひざ下までが土の中に埋もれた裸の女性が描かれています。ひざ下までが土の中に埋もれているということは、そこから移動ができないことを表しています。おそらく当時の女性たちの多くが、このように家に根を張って生きていたのでしょう。

この不思議な家は、画面の木星位置から海王星位置に描かれていますので、これらが幻影であることがわかります。

つまり聖アントニウスは、心の中の幻影の「家と女性」と対話をしています。


修行生活に一生をささげた聖アントニウスですが、その出生の星配置図チャートをみると、太陽が山羊座であることがわかります。山羊座は、社会性の中に家を構えるサイン。そしてその家の中には、蟹座的な家庭が育まれるわけですが、この山羊座ー蟹座のラインには、彼のノード軸(ドラゴンヘッドとドラゴンテール)がありますので、このポイントは、彼にとって、とても大切な部分であったことがわかります。

社会性を切り離しひとり修行生活に集中して精進しようとすればするだけ、この切り捨てられた要素は幻となって出現して、彼に内面の対話を迫って来たことでしょう。

でも実は、そのような内面との対話こそが、聖アントニウスが一生をかけてフォーカスし続けた大切なものだったのではないかということが、とても良く伝わってくる絵だと思います。




☆アトリエえんどうまめのHPは、《​こちら​》です。





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Last updated  2018.08.27 10:15:02
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