ゴーギャンが生前売れなかったのは絵が作為的だったからだ。押し付けがましさが見えていた。要は欲に突き動かされていた。
だから批評家も「ゴーギャンは株式投資をしていた頃のまま絵画についても計算高いだけだ」と批判した。
彼が本当に良くなるのは、タヒチの人々の姿をそのまま素直に描こうとしたときからだ。悩み苦しんで本当の自分を出すしかなくなったときに作意がなくなった。
ある女性がゴーギャンは暑苦しいというようなことを言った。逆にマリー・ローランサンは個性があるけれど押し付けがましいところがないと。
ゴーギャンは神秘主義だった。そしてあまりにも原始の生活に憬れ、しかも西洋を否定していたがため彼らの生活ぶりをヨーロッパに演出してエキゾチックに紹介すぎた。
芸術家にしても自分を発見することはかくも難しいことなのだ。いや、芸術家こそがそれだけのために人生を費やしている。
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Last updated
2006.12.07 15:53:26
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