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カテゴリ:「須田国太郎展」
はい、はじめまして、茨城大学の永瀬知香です。
はじめまして!ぼくはきんびー。よろしくね!
よろしくお願いします。 はじめましてですが、ミュージアムキャラクターアワードではしっかりと投票させてもらいましたよ。
やぁ、うれしいなぁ。ありがとう。 ところで、どうして近代美術館にいるんですか?
私は今、インターンシップで美術館にお世話になっています。
へぇー! え、あれれ? インターンシップって何ですか?
近代美術館でお仕事を体験させてもらったり、勉強させてもらったりしてるんですよ。
え~! お仕事の体験?
はい。社会人になるため、いろいろ体験をさせてもらっているんです。
ブログも体験してくれるってことですね。
ちょっと緊張してるけどがんばって紹介させてもらいます。 須田さんのことは、この展覧会で初めて知りました。「陰翳(いんえい)、燦燦(さんさん)。」というキャッチコピーの通り、黒の色づかいがとても印象的でした。 色彩の暗さとダイナミックな画風に、私はまずエル=グレコを思い出しました。
エル=グレコって人の名前ですか?
16世紀のスペインで活躍した、マニエリスムの画家の名前です。 人体を引き伸ばし、暗い色調でダイナミックな宗教画を多く描いていたんですよ。 須田さんはマドリードに留学し、エル=グレコの絵の模写をしていたと知り納得しました。 また、力強さと線の太さに、ゴヤの影響も強く受けているのだとも思いました。 ゴヤっていうのも画家さんですか?
同じくスペインで活躍した画家です。 宮廷画家で「裸のマハ」など有名な作品がありますし、銅版画集で「戦争の惨禍」というとても暗い作品も残しています。 須田さんは西洋で油彩画を勉強しましたが、彼はやはり日本人なのだと実感した絵が何点かあります。
それはどの絵?
「バラとアザミ」などの野生の花の絵です。須田さんは地に咲く菊や薔薇の絵を数点残していますよね。
それのどこが日本人らしいの?
西洋では花瓶に活けられた花や草木、籠に入った果物などが静物として描かれることが多いようですが、わたしは野生の花を主役とした西洋の作品はあまり見たことがないんです。 それに対して日本では、桜や柳など、地面に根ざして自生している植物が描かれていることが目立つように思うんですよ。
そうなんだ。なるほどー!
西洋において花をモチーフとした絵では、いろいろな季節の花が同じ花瓶に生けられたりして、とても華やかな美しさが描かれていることが多い気がしますけど、季節の移り変わりのなかでの花とか植物は少ないように思うんです。 それに対し、日本では花はやっぱり季節とともに描かれるし、ちょっと感覚が違うんだと思うんです。 それが、須田さんの場合は、西洋の技法である油彩画で、野生の草木が描かれていて、スペインの画家のような感じもあるのに、花のはかなさみたいなものも感じられて、とても不思議な感覚を覚えました。
ほかにも日本人らしいところはあるの?
はい。もうひとつ、須田さんの絵から日本的な印象を受けるのは、黒という色です。 重苦しく暗いイメージのある黒ですが、須田さんの絵の黒は墨のような印象を与えます。 画面を黒く塗り潰しながらも、まるで滲むようなその黒が画面を支配していると感じます。 須田さん本人も、黒を墨のように使いたかったんじゃないかなぁ。
須田さんの作品は、西洋の画家や絵画と比べて見ることができるんだね!
そうですね。でもあくまで私個人の見方なので、皆さんはそれぞれ自由に鑑賞して楽しめればと思います。 須田国太郎展は8月26日(日)まで。ぜひおいでください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012年08月25日 11時19分51秒
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