茨城県近代美術館 The museum of modern art, IBARAKI

2016/07/22(金)15:08

本の選び方

H28乙女デザイン(14)

うーん、うーん…… どうしたの?きんびー。 あ、らっきー。 実は、夏休みの宿題、読書感想文の本が決まらないんだ。 本って、開いてみないと内容がわからないから難しいわよね。 でも、本を開かなくても選べるいい方法を知っているわ。 本の表紙で選ぶのよ! 本の表紙? そう。本の表紙って、本の世界への入り口なのよ。 物語への入り口としてみると、表紙で中身が想像できない? なるほど~。確かに! 挿絵も併せて見ると、イメージが膨らむもんね! 大正時代になって印刷技術が発達して、たくさん印刷できるようになったわ。 たくさんの人の手に本が渡るようになったから、いろんなデザインの本が出版されたの。 例えば、企画展示室にある、これは…  あれ?これって全部「吾輩ハ猫デアル」って題名だよ。 そうなの。全部「吾輩ハ猫デアル」なのだけれど、版が違うから、表紙が違うよ。 左下のものは、57版なの。 57版!?同じ本をそんなに増刷したんだね。 人気の作品だったのね。 時代によって本の大きさや素材も違うのよ。 へぇー! ブックデザインで本が読まれた時代の雰囲気もわかっちゃうんだね!  これは、与謝野晶子の短歌集なのだけれど、本のデザインをした藤島武二と与謝野晶子は 家族ぐるみの付き合いがあったの。 作家と画家が知り合いってこともあるんだね。 これは武者小路実篤作の本なのだけど、表紙を描いた岸田劉生と武者小路実篤は友達だったのよ。 岸田劉生は白樺派の作家の本の装丁も数多く手掛けているの。   文学者と画家とのコラボレーションが生み出された時代だったんだね。 どうかしら、きんびー。 読書感想文の本は見つかりそう?  うん! 表紙から、いろんな物語が見えてきそうだよ!「吾輩はハチである」にしようかな♪ あらまぁ。自分で書くわけかしら?

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