30代と80代の戦い?
もともとは、戦いになるとは思っていなかった。「まぁ、いっしょに2人展をやってください」という画廊オーナーの軽いのりからはじまった。互いに旧知の間柄。互いの作品もよく知っている。しかし、それを並べようとするとき、何がおこるか。それはお互いにまったくわかっていなかった。昨年の春、2人でどのように会場構成をしようか、という話になったとき、宮本氏からひとつの爆弾?が落ちてくる。「何か共通の想いをもってでないと、すっきりした気持ちで2人展をできないと思う」たしかに、そのほうがおもしろそうだ。共通の想いか。いや、しかし、互いの制作のコンセプトは全く違う。宮本氏は<シベリア抑留>だし、私は<人のエネルギー・創造性>。「・・・ひょっとして、宮本さんの個展になさったほうがいいのでは?」率直な意見を述べてみた。企画のはじめは、宮本さんの個展⇒途中から企画変更して二人展、だったからだ。「いや、2人展でひきうけたのだから、これをつらぬこう」宮本氏はいった。しかし、自分のコンセプトを大事に展覧会を行う人間同士が、狭い会場で作品を並べることを真剣に考えるとき、何がおこるか、まで二人ともこの時点で考えていなかったのだと思う。これは、コンセプトとコンセプトのぶつかり合いの幕開け?だった。