2005/11/02(水)08:30
M氏:「運がいい」というおまじない
「おれは運がいい」とくりかえすことにひとつの強力なおまじないがある。
私はそう思った。
M氏と話しはじめたころ、しきりにM氏がそう繰り返すことに気づいた。
シベリア抑留から生きて帰ってこれた。いろんなひとに助けられた。
これは運がいいからだ、というのはその通りだ、でも、それだけでない理由があるはずだ。
それに、運を呼べるとしたら、どうだろう?
これだけ運がいいと繰り返すM氏は運を読んでいるに違いない、と思ったものだ。
そうして運について繰り返して聞いていたころ、M氏は「これは素敵だ」と感じる感性をつねに磨いていることに気づいた。
私が訪ねた日に晴れていると、「やぁ、いい天気になったね、ついてるね」と声をかけられる。
お医者さんに健康状態をほめられると、「身体にめぐまれたな」と素直に喜ぶ。
シベリア抑留さえ、「旅行へいってきたようなものだ」といいきる。
その背後には、意思の強さを感じる健康管理や、つらい出来事も存在する。それを否定するのでなく、その上で良い面を「運がいい」といいきっている。
そうすると、天気などはまさに「運がいい」。
たまに良くないことがあれば「いつも運がいいからたまにはしょうがないか」となる。
気分がよい循環にまわっていく。
そして、いつの間にか、ほんとに運を呼び込んでいく。
「運がいい」というのは自分を元気付ける強力なおまじないだ。