2010年09月の記事一覧 | 四国遍路　ゆるり紀行

高知（修行）　２２年春遍路　３２番禅師峰寺～　

トンネルを抜けて坂を下るとＭさんが愛犬＜五郎＞とお迎えに来てくれた。一年前の春、室戸岬を目指した時の宿【徳増】で高知のＭさん東京のＵさんと一緒になった。お互いに便りを出し合うようになり、「次回高知に来た時には寄っていく様に」と声をかけてくれていた。Ｕさんとも日程を合わせて３人で会う予定だったのに、仕事の都合でＵさんの高知行きが急にキャンセルになってしまった･･･お宅にまで寄るのは迷ったが･･･。　本堂Ｍさんと五郎は毎朝１時間かけて石土池の周りを散歩している。辺り一帯は埋め立てた開発地域で、南向きにズラーッと新しい家が並んでいる。住宅街を抜けると以前からの集落があり、更に細い道を入るＭさんと五郎の後を着いて行くと新築のお家があった。ご好意に甘えてお邪魔してお昼まで頂く。スーパーのお惣菜と、裏山で取った蕗を酒かすで煮たおかず、冷うどんも作ってくれる。デザートまで出て、きよみに一口大に切ってよく冷やした小夏、桜餅まであった。２人で食べながら、遍路道や宿の話を聞く。　桂浜を望む「結願して思い返して、一番辛かったのは？」「室戸岬までの道かなぁ～。行けども行けどもお寺が無くて、舗装の道で足が痛くて･･･」あの一緒に歩いた日だった。１３時、居心地が良いけれど、もぅ発たないと。「裏山の古い遍路道を行ってみましょう。」と案内してくれる。高齢のの五郎はお留守番。その道は遍路地図から消えているが、Ｍさんが子供の頃はこのルートをお遍路さんが登って行ったそうだ。優しいＭさん十市小学校の横を入ると、確かに古い遍路石があって、山道に入る。･･･訪れる人はいない様でかなり荒れているが、Ｍさんは振り向きもせずに登って行く。テッペンに登るとスゴイ数の分譲墓地が海のある南を向いて並んでいた。【３２番　禅師峰寺】はこじんまりとしているが、眼下に海が広がって桂浜が見える素晴しいロケーションだ。（なかなか読めなくて･･･＜禅師峰寺＝ぜんじぶじ＞といいます。）　　♪芭蕉句♪　「木枯らしに　岩吹きとがる　杉間かな」初夏のこの季節は風が爽やかで心地よくて、いい気持ち。納経を済ますと、Ｍさんは「又高知に来る時は、寄ってください。」と言って来た道を帰っていった。近頃･･･物騒な事件があるから、同僚達は一人で会いに行くのを心配してくれた。私も段々心配になって･･･でも、やっぱり会ってよかった！Ｍさんは何ともいえない穏やかな雰囲気の方で、その周りだけ時間が別に流れているような気になる。ありがとうございました。　　県営フェリー【３３番　雪けい寺】へは、浦戸大橋を渡って桂浜の方から行くか、フェリーで渡って新川添いを進むか。大橋は高さがある為に横風で歩きにくので（Ｍさん情報）、やっぱり乗りたかったフェリーで行くことにする。急がなくっちゃ！♪高知県営フェリー♪種崎～長浜間、６００Ｍを５分で運行。１時間に１～２往復。料金無料。　フェリーといってもコンクリート板の様な感じで、地元の自転車の人や遍路が数人乗る地元密着船。冬はかなり寒いと思われるが、今日は風が気持ちよい。雪けい寺本堂【３３番　雪けい寺】は、八十八ヶ寺は真言宗が多い中、禅宗の臨済宗妙心寺派のお寺。嫁ぎ先と同じ宗派だったから、納経所で親しげに声をかけてしまったが、徳島に一寺、この後二寺あるらしい。以前は真言宗高福寺、運慶寺を経て、長宗我部元親（ちょうそかべもとちか）の菩提寺となる。本尊は運慶作の薬師如来。　秦神社お寺の裏へ回ると元親の長男、信親のお墓があるというので進んでみたけど、間違えて神社に行ってしまった。四国統一の時に一族があちこちの寺社を焼き討ちにした為だろうか･･･フェンスの向こうにひっそりとお墓が見えた。　龍馬記念館折角来たのだから、と今回は是非の寄り道。桂浜の坂本龍馬像や記念館を見たくて、少し遠周りになるけれど【国民宿舎　土佐】を予約しておいた。急げば開館時間に間に合う、お寺前でタクシーを停めて瞬間移動。４時半到着。宿のロビーに荷物を置くやいなや、痛い足を引きずって隣の記念館へ直行する。　　向こうにー　海に突き出た斬新なデザインの記念館は今にも船出するようだ。館内の窓からは海が一望できて、向こうに見える岬には武市半平太やジョン万次郎の像があるはず。館内はドラマの影響か閉館間近なのに結構混んでいて、雑誌取材もしていた。手紙や写真の展示物が多くて（複製品も多いかな･･）じっくり読んでいると閉館の音楽が流れてきてしまう～。　♪～（日が長くなるこれからの時期、高知博中で観光客が押し寄せている今、５時閉館は無茶のような気がします。）ＴＶでは調度、大森南朋さんが半平太役を熱演していたので、半平太が獄中から妻お富に宛てた文は印象的だった。国民宿舎桂浜いったん宿に戻って荷物をひろげる。部屋は５階の右端だったが、東向きの桂浜が見下ろせる素晴しいロケーションで、明日は室戸岬からの朝日が拝めそうだ。常時は遍路料金が設定されているが、ＧＷ連休中は普通料金に戻る上にシーズン料金が加算されるとか･･･。その宿泊料に夕食朝食料金が加わって、遍路宿代にしたら高めになってしまったが（しめて￥10.840）ここはそれに値する位よかった。予約が殺到してずい分断られているようで、評判の宿は今夜も家族ずれでいっぱいだ。　威風堂々　宿の下の遊歩道を散歩しながら桂浜に出る。いつもながら下り階段は辛いなぁ。龍馬像は黒く浮かび上がり、下から見上げると威圧感がある。５時までは横のパイプ階段に登れて、龍馬の顔を間近に見ることが出来るらしく、夕日に浮かびあがった龍馬の写真が撮れる。　桂浜桂浜は思っていたよりこじんまりとしていたが写真でみる通りでよく整備されていて、夕暮れの散歩を楽しむ人達がゆったりと過ごしていた。そういえば、ドラマのオープニングで福山さんがここを走っていたんだ。Ｈ２２年４月２８日　　晴れ　　出発　７：３０　　到着１６：３０　　　　　　　　　　　距離　１８.５キロ　　宿＜国民宿舎　土佐＞

高知（修行）　２２年春遍路　３１番竹林寺

高知駅バスターミナルに６:４０到着。まだ人気のない駅や通りは朝日に輝いてすがすがしい。高知交通のバスは３列座席で余裕があり、８時間の夜行も苦にならなかった。構内のパン屋【ウィリーウィンキー】でフレンチパンと、近頃また知名度が上がった【帽子パン】を買う。バスで一緒だったおじさん遍路は中村市から続きを歩くそうで、ここでモーニングをとるといいよと教えてくれる。　高知駅前土讃線【土佐一宮】駅に戻って、秋の続きを始める。国分川を渡り土佐電鉄御免線を越えて、文殊通りを進むと子供達が次々と高須小学校へ登校していく。みんなリュックと水筒をさげて、春の遠足だ。　国分川民家がまばらになり細い道に入っていくと、五台山への裏道になる。葉の茂る薄暗い中を登って行くと、途中から植物園内になっている。牧野富太郎記念館がひっそりと建ち、その先は視界が開けて【牧野植物園】が広がる。　五台山♪牧野富太郎♪国内にある植物の四分の一以上を命名し、約４０万点の標本を採取した「日本植物分類学の父」自らを「草木の精」といい、地位や名誉より子供の様に純粋な好奇心のままに生きる。「さすが。土佐だけのことはある。」と他県の人が感心する場所にしたいと、自分の名前を残すことにはこだわらず、「高知植物園」を希望していた。昭和３３年の完成を見ることなく「土佐へ帰りたい。」と言いながら９４才で亡くなる。県立牧野植物園には４万５千点の蔵書がある。　　　園内の遍路道園内はよく手入れがされていて、向こうに五重の塔が見える。桜やつつじの名所で、今もあちらこちらにつつじやバラの花が咲いている。同い年位の従業員さん達が、気持ちよさそうに仕事前の準備体操をしていた。　牧野植物公園植物園の正門はまだ閉まっていたけど、遍路用に開けてある扉を抜けると竹林寺へと通じている。　牧野富太郎像山は燃えるようで、新緑の季節は本当にきれいだ。　何とも☆【３０番　竹林寺】の本尊は文殊菩薩、柿ぶきの文殊堂は重要文化財、夢想国師が疎石した庭園（400円）もある。　山門五重の塔は昭和５５年建立、高さ３２ｍ、手前にかわいいお地蔵さんが沢山並んでいる。　目が悲しげ･･境内には正面の道路から来た車遍路さんが結構いたので、少し離れた椅子に腰掛けてお地蔵さんを眺めながら、朝ご飯。　大師堂帽子パンは素朴な作り、上からかけた甘い生地が何とも★美味しくて、ぺロリだった。子供や同僚へのお土産にしたいけど、どうしても周りのひさし部分がポロポロ折れやすくて、断念。　￥130下りも歩き遍路道に入った。かつては沢山の人が、このビッシリと並んだ石段の参道を踏んでお参りをしたのだろう、今はひっそりとしている。　五重の塔昨日は台風並みの風雨が本当にすごかった様で、しみ出た水が流れて石が滑って歩きにくい。その上、所々の石が隆起していて転びそうになる。慎重に～。　下り遍路道下田川沿いの道をお気楽に歩く。いい天気。とてもありがたい。「おはようございま～す！」上からつま先まで、手っ甲も付けて、全身が白装束のお遍路さんは今までに会った事がなかった。菅笠の下、同じ位だろうか･･･美人お遍路さんは大きなリュックに鈴を付けたお杖をさして、タッタカタッタカと追いぬいていった。チリーン、チリーン。「さすが～」私はといえば、相変わらずのマイぺース（笑）チリーン、チリーン･･･まさかこの時、驚きの再会をしようとは思いもよらなかった。（･･･黙）　武市邸【武市半平太邸】はこの辺りなんだけどなぁ･･･得意の寄り道。石土トンネルへの坂道左手にひっそりと建っていて、普通に生活されているので公開はされていない。瑞山神社（ズイザンは半平太の雅号）とお墓か少し登った所にある。「龍馬伝」の影響で近頃は訪れる人が多い。　仲良く･･武市家代々のお墓が沢山並んでいて、半平太と妻お富のお墓に手を合わす。TVで見たように、二人には子供が出来なかったので武市家は親戚の＜坂本＞家になり、武市邸の表札も「坂本」だった。なんか妙に感動してしまった。南国市のMさんに連絡をしてトンネルへ向かう。昨春、室戸岬の民宿【徳増】で一緒になったおじさん遍路さんだ。

高知（修行）　２１年秋遍路　２９番　国分寺～

山門前で静岡さんのほうから「写真を撮ろうか？」と声をかけてくれる。今夜の宿を聞くと、「全く情報が無いから分からないけど、高知市内はコンビニがあるから軒下にでも寝るつもり」･･･。近頃、遍路のマナーが悪くて困る、と四国の方から苦情があるそうだ。寝袋の入った大きな荷物を背負って静岡さんは先へと進んだが、もうそれっきり会わなかった。どうぞ、元気で周ってください。　山門【２９番　国分寺】は平安時代に紀貫之が国守として４年間滞在し、「土佐日記」を書いている。他のお寺とは違う雰囲気のしっとりとした佇まいで、桜や紅葉の頃はたいそう綺麗だろうなぁ～。　酒断地蔵尊外人遍路さんはお参りするわけでもなく、あちらこちらと見ていたかと思うと、お庭の門をスケッチしはじめた。お寺毎に絵を描いて廻っていたのだ。　国分寺本堂田園の中の遍路道はいにしえの気分を味わえて、春に歩いたらさぞかしいい道だろうに、今日の風はすご過ぎー！この辺りは目立つ物がないせいか迷い易いとあったので、地図を片手に慎重に進む。食べ物とトイレをあてにしていた、浦原の＜ショッピングプラザなかざわ＞が店じまいしていて焦ったけど、坂を１キロ登ったところに＜ヒダカ技研＞のご好意の遍路小屋があった。さらに坂の上にある工場のトイレを借りてお水も頂く。ホント助かりました。ペコリ。　土佐神社384号線に出ると一転、スゴイ交通量だ。【逢坂タイヤセンター】は最近出来たそうで、遍路休憩所を兼ねた受付があって若い事務員さんがお接待も兼ねて働いていた。「どうぞ～、休んでいってください～」（さっき休んだばかりだけど、せっかくだから又一休み、へへへ。）若い社長が、毎日店の前を歩いて行くお遍路の姿を見て「遍路道に店を持ったのも何かの縁だから」と休憩所を作ったのです･･･と話す女事務員さんはとても感じがいい☆冷たいお茶を頂くばかりでは悪いから、アイスクリンを買おうとしたらこれもお接待して頂いちゃった。ありがとうございます、納め札を渡して商売繁盛を祈ってます。　土佐一の宮逢坂峠を下ると左手にある墓地公園に入り、墓地の小路を下る。４時、明るいと広い墓地も大丈夫◎ほどなく進むと善楽寺がある。杜の中を進むと鳥居があり･･･？【土佐一宮神社】だった。５世紀に創建と言われ、社殿は入りトンボ型、楼門と鼓楼は重要文化財。心が静まる広い境内だった。長ーい参道【３０番　善楽寺】は道をはさんだ東側にある。桓武天皇の時代に、弘法大師により神社の別当寺として建てられるが、明治の廃仏稀釈で廃寺になる。昭和４年、国分寺から大師堂･寺宝を迎えて、善楽寺を再興。平成６年、３０番札所　奥の院を善楽寺としたためこじんまりとして、お寺全体が真新しい。　善楽寺本堂神社の参道を下り＜土佐一宮＞駅から高知へ戻る。17:00外人スケッチ遍路さんが電車に飛び乗ってきて、思わずお互いに目で笑う。色々な歩き方があるんだね。　土佐電高知駅のキヨスクで【梅不し】などをお土産に買って、ロッカーにそれとリュックを入れて路面電車に乗る。【はりまや橋】までは近いけど、路面電車は初めてだから乗ってみたかった。もう真っ暗で、かわいいおもちゃみたいな橋はライトアップされて赤く浮かび上がっている。♪土佐の～♪アーケード街をフラフラと歩くけど、夕飯時なのに道行く人が少なくて寂しい。【とさ市場】で、くじらのすき焼き定食を注文。1500円と私にしては奮発！！でも高知と言ったら鰹と鯨。カツオは　ジュウー分頂いたので、♪鯨、クジラ、くじら～♪２２時の高速バスまでの時間つぶしも兼ねて、１時間程ゆっくり食べてまったり過ごす。　鯨のすき焼帰りは駅まで歩いてもどり、構内の椅子で１時間ほどバスを待つ。「ピンポ～ン、ピンポ～ン、ピンポ～ン･･･」盲導用のガイド音が人もまばらな真新しい高知駅中に限りなく響く。ズーッと、限りなく･･･３日目　Ｈ２１･１０･１４　晴れ時々曇り　　出発　７:３０　　到着　１６:３０　　　　　　　　　　　　　距離　１９･５キロ

高知（修行）　２１年秋遍路　２８番大日寺

【かとり】の朝飯におばあちゃんの手作り梅干とラッキョが並んでいた。食べ終えるとすぐに出発。おばあちゃんが手を合わせて、私居のの無事を祈ってお経を唱えて見送ってくれるものだから、ジーンとしてくる。（泣き）ここはお杖も洗ってくれた。昔からの宿や年配の人がいる宿は今でも味わい深い。　遊園地残骸【２８番　大日寺】まで３キロ。途中の東屋で唐浜駅のホームで一緒になった野宿遍路さんとすれ違い朝のあいさつをするが、もう一人のお坊さんは一緒ではなかった。野宿の人達は独自の歩き方があるのか、大日寺から次へと続く田園の歩き遍路道を進まずに、逆方向の町の方に戻っていった。　大日寺ここは大師が境内の楠の木に爪で薬師如来を刻んだと言う【爪彫薬師】があり、首から上の病気にご利益があるという。石仏群は愛らしくて、色とりどりの前掛けがきれいだった。翌年の年賀状はこの石仏の絵を描いてみた。　愛らしい物部川の向こうに国分寺があるが、戸板島橋を渡るためは遠回り、そして稲刈りの終わった見晴らしのいい田園の中を進む。最終日の今日が一番天気が悪い。空は時々曇る位だが、なにしろ風が強くて何度も帽子が飛びそうになる。　本堂【松本大師堂】で一休み。11:00某ブログで見た以前のお堂は気の毒過ぎるほど古かったけど、建て替えた大師堂はとても綺麗になっていた。先客あり。地元の老人と大日寺で一緒になった野宿さんだった。老人は遍路経験があって、思い出のお寺の話や松本大師堂の話を聞かせてくれる。お堂は地元住民がお金を出し合って建替え、当番制で毎朝お掃除をして皆なで大切にしている。挨拶をしても反応のなかった野宿さんは意外に多弁、静岡の人でリストラされて歩きだしたという。「野宿も慣れてきて僕も図太くなってきた･･･　このお堂もお供えをどかして、その台の上に寝たらいいベットだ･･･」おじさんの顔色が変わったのに平気で話し続けるから、私はビックリ、ドギマギしてしまった。今、使い方の乱暴な遍路がいて、皆なが迷惑しているという話を聞いたばかりなのにぃー。先を急ごう。　素朴な味この辺りは古い遍路石が多い。売店が無さそうなので【山崎商店】でへんろ饅頭を２個買って、店内の広い机でゆっくりと頂きトイレも借りる。　おススメ～【２９番　国分寺】は穏やかな景色の中にあった。お寺のすぐ手前にかわいい喫茶店【コットンファーム】があった。　８８０円饅頭を食べたばかりなのに（２個も！）、誘われる様にふらりと寄り道、カレーセットを頼む。半分オープンカフェの店内は若者で混み合っていて、かなり待たされたけどいいランチがとれて満足。（ホウレン草とパイナップル入りの豆乳スープは、初体験、美味でしたよ♪）　ここで１時間位外を見ながら座っていると、向こうの国分川の土手を静岡さんと外人僧が歩いていく。

高知（修行）　２１年秋遍路　夜須　

お腹がすいたぁ～、地図を頼りに国道に出たのにお弁当屋さんはお休み･･･又か。ローソンで昼飯とおやつ分、多めに買ってお弁当屋さんのﾍﾞﾝﾁでイッキにたべる。幸せ～?　もう３時だ。まだ今夜の宿をとっていない。いつも歩く距離を考えて２週間位前に予約をしているけれど、通し打ちの遍路さんは歩きながら状況をみて当日にとる事が多い。今日は平日だし、高知市に近づくから宿は多い、１０キロ先の【かとり】に電話を入れるとすんなりととれる。　善根宿歩きだしてコピーした地図を落とした事に気がつく。忘れ物には過度に気をつけているのに、気がつかないほど食べ物に気を取られていたんだ。（恥）引き返すとコンビニの駐車場に紙切れが落ちていた。他人にはただのゴミ、私にとったら宝物。　西分駅の手前に個室風の善根宿があった。お茶を一杯頂く。野宿は女遍路にはチョッと･･･無理かな。長いサイクリングロード、行き交う人もまばら、秋は歩き遍路が少なくて夕暮れ時は物悲しい。ぶっきら坊さんが追い越してゆく。昨日とはうって変わったシッカリした足どりで、大日寺の前の宿まで歩くというから、４０キロ歩く事になる。６０才は有に過ぎているぶっきら坊さん。脱帽。　洋寿荘夜須に入った辺りにユニット型特別養護老人ホーム【ウェルプラザ洋寿荘】があった。全国初の木造２階立てのホームで、一画に綺麗な遍路休憩所を提供してくださっている。ホームのお年寄りが作った鈴の根付が置いてあったので、有りがたく一つ頂いて杖に付けて歩いている。夜須で不思議な光景を見た。開門橋で、船が朝夕に港と船着き場を行き来する時に上げておくようで、山育ちの私は始めて見た。紅く染まりだした空と突き上がる道、面白くて何回もシャッターを押した。【道の駅　夜須】は広くて店舗の数も多くて賑わっていた。魅惑的な匂いがするけど、もう5時で薄暗い。宿まで後４キロあるので先を急ぐことにする。（さっき、あんなにドカ食いしたじゃん）今日は電車にも乗らずによく歩いた、あと少し頑張ろう！　珍百景サイクリングロードも終わり民家の中を歩きだすと道が分かりにくくて、自衛隊駐屯地の辺りではすっかり暗くなっていた。多分、方向は合っている。ウォーキングをしていた主婦に【かとり】への道を聞くと、調度そこへ車に乗ったお友達が来て宿まで乗せてくださる。有り難い。納め札を受け取って頂く。ぺこり。人魚ちゃん到着するなりドライブイン風の食堂で家庭的な夕飯をとって、別棟の部屋に移る。別館は２棟あってかなり広い旅館だけど、今夜は１０名程のお客だった。３日目　Ｈ２１･１０･１３　　快晴　　出発　8:00　　到着　18:30　　　　　　距離　３０キロ　　　宿　旅館かとり