「ダヴィンチコード」と「天使と悪魔」
「ダヴィンチコード」は春に映画も公開され、まぁ賛否両論さまざまでしたね~どちらかといえば批判的な意見のほうが多かったでしょうか・・。私は、先に原作を読んで、さらに映画を観ました。結論から言うと、やはり原作本のほうがずっと面白かったですね。これは、映画全般に言えることだとも思うので、映画は映画として楽しめばいいので、原作と比べるつもりはあまりありませんが、この映画は内容が内容だけに、映画だけを何の予備知識もなく観ると、つまらないかもしれません。つまらない、というか、よくわからない?という感想を持ったひとも多かったのではないでしょうか。やはり本には細かく書かれていることが、映画ではほとんど説明もないし、盛りだくさんすぎてなかなか把握できなかったりすると思います。暗号の謎解きも簡潔すぎるし、特にジャンレノ・・・なぜジャンレノ?と思ったかたはいなかったでしょうか?あの役は、映画では決定的に説明不足でした。あのジャンレノ役の刑事と、ヒロイン(っていっていいのかな)の間には確執みたいなものがあって、本では描かれているんですが、映画ではほとんど触れてなかったみたいなので、あのジャンレノ扮する刑事が事件の展開とともに見せる微妙な心の変化が全然わからなかったですよね。もったいない感じもしますが、無理もないんでしょうね。そして、この内容が内容だけに、世界中で注目され、18歳未満は見れない国もけっこうあったりと、かなり物議をかもしましたね。私の感想としては、これはあくまでもフィクションだということです。もちろん、宗教に対して真っ白な状態の子供がみたら、かなり影響力があると思いますが、こういった、イエス・キリストに関するさまざまな説は、結局何が真実だか、永遠にわからないと思うので、あくまでも推測であり、その可能性があるとも言える、いうことなんですよね。ですから、私はフィクションとして純粋に原作を楽しみました。さまざまな仮説にもとづいて、それをたんなる仮設の羅列ではなく、殺人事件をからめてさらに逃亡劇を盛り込んだ、スリルとサスペンスに満ちた楽しめる作品になっていると思います。小説としては宗教史や美術史、ルーブルのこととかも詳しく書いてあって、また自分の知らない世界に興味をもたせてくれました。そして、同じダン・ブラウンがダヴィンチコードより3年ほど前に書いた、「天使と悪魔」ですが、これは最近本屋さんに文庫が並びはじめたので、買って読んでみました。ダヴィンチ・・と同じ、ラングドンシリーズの第一作だそうです。なので、主人公はラングドン教授。またまたラングドン教授は否応なしに事件に巻き込まれ、美術、暗号解読、短時間に事件満載、といったダヴィンチコードと共通する点がとても多い作品です。やはり、最初は一人の科学者が殺害され、その胸に奇妙な紋章のような焼印が押されていて・・・その科学者が開発した核の数十倍のエネルギーを持つ反物質が盗まれ、さらにバチカンでは、コンクラーベの最中に高名な枢機卿が誘拐され、一時間に一人ずつ殺し、最後には反物質をバチカンで爆発させる・・・と、秘密結社?イルミナティを名乗る人物が脅迫する、という感じで進んでいきます。最後の最後まで、ほんとに手に汗にぎる展開で、あきませんよ。本当に最後のページにくるまで、これでほんとに終わり?というくらいめまぐるしい展開にびっくりさせられます。この枢機卿が殺される場所を特定するために、暗号解読があるんですが、そのときにいろいろ出てくるバチカン、ローマにある数々の美術品がとても興味深かったです。これは、ダヴィンチ・・・同様フィクションなのですが、美術品の名前や作者は事実に基づいているそうなので、今度機会があったら、美術史に関する本でも読んでみたくなりました。その作品の時代背景や宗教的意味合いなどを調べるのも面白いですよね。あ、もちろん、すでに調べてわかっていることについて書いたものを読む、というだけですが。ダヴィンチ・・同様、きっといろいろな見解や説があると思います。本当に世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだな~と当たり前なことを実感したりする今日この頃ですねでも、知らないことを知って、知識が増えるということは、楽しいことですね。これは小説としては、かなり楽しめると思うので、ぜひお勧めです↓ こんなのも読んでみると面白いです♪