ももいろのもも

2003/03/03(月)19:23

古びたご飯じゃないんだってば~!

それはまさにパパが亡くなった朝のことでした。医長が「余りにも珍しいケースなので是非解剖させてほしい」と言うので、死亡解剖することになったパパ。ママはそのまま病院に残ったんだけど、私はパパを家に迎えるための準備の為に親戚のおばさま方と帰宅することに。さて。まずはパパを寝かせるベッドを居間に置く為にお掃除…と思ってると、頼もしい主婦連中のおばさま方は大活躍!主婦パワー炸裂で、部屋はもとより庭まですっかり綺麗にしてくれました。恐るべし主婦パワー!!私は弔問客が来るだろうから湯のみ茶碗やら大きなお盆やら細々した準備を完了。するとそこで「ももちゃん、ご飯炊いてる?」と一人のおばさん。「昨日の夕方炊いたのがジャーにそのまま残ってるけど…」「じゃそれでいいわ。パパのお茶碗とお箸も用意しててね。ご飯をお供えして、家を出る時にお茶碗を外で割るからね。」「うん。。。でも、ウチってパパがダイエットしてたから発芽玄米ご飯だよ~。白いご飯炊こうか?」「いや…いいわよ。いつも食べてたご飯が一番だから」やがてパパ帰宅。お坊さんに枕経を読んでもらって「この宗派では通常ご飯は供えないんだけど、できたら供えてあげて下さい」と言われ、パパの特大のお茶碗に笑っちゃうぐらいテンコ盛りの発芽玄米ご飯を入れ、お箸と共にお供えしました。翌日の夜はお通夜です。朝からバタバタとした一日を過ごし、お通夜の会場へ。会場の隣の部屋が親族の控え室で、お通夜の時間以外は棺はその部屋で私達と過ごすの。ふと見ると……棺の前の祭壇には例の笑っちゃうぐらいテンコ盛りの発芽玄米ご飯が…(え?家を出るときにお茶碗を割るんじゃなかったの?)更に悪いことに、1日お供えされたご飯はパリパリ。しかも元々が茶色いご飯だから、干からびて黄色くなった古いご飯みたいになってるの。「うわっ……やっぱ白いご飯を炊けば良かった…」後悔する私。その後、お通夜が始まるというので、棺は祭壇の前へ、私達は親族の最前列の席へ。お坊さんが入ってくる前にハタと気づくと…でっかいステージのようになってる祭壇に、干からびて黄色くなった古いご飯(みたいな)の入った笑っちゃうぐらいテンコ盛りのお茶碗も移動されてます。。。こんなところにまで……そこにすぐ後ろに座ってた親戚の叔父さんが「この、木で出来た祭壇の色にピッタリのご飯の色だね」と耳打ち。。。嫌味かよぉ!?恥ずかしい……お焼香に来てくれた人たち…誰も気が付きませんように…当然、その翌日のお葬式の日にもそのご飯は祭壇高く供えられていました。「どこまでこのご飯は付きまとうねんっ!もうカンベンしてくれ~~」(^_^;)当たり前のことだけど、昨日よりも更にパリパリ度はアップしています。恥ずかしくてお茶碗を取り下げたい衝動に何度も駆られました。お茶碗の前に『これは発芽玄米ご飯です!』という紙を貼り付けたいと心から思いました。お葬式の最後に棺に釘を打つときに、葬儀社の人が「このご飯とお箸は棺に入れますね。お茶碗は出棺の時に割りますけど」おいおい……棺にまで入れるの!?こうして、干からびて黄色くなった古いご飯みたいな笑っちゃうぐらいテンコ盛りの発芽玄米ご飯は、最後の最後までパパと一緒だったのでした。教訓!お茶碗は小さめに! ご飯は必ず白米を!!

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