そんなテルアビブ★イスラエル★

2009/05/25(月)16:14

壁と卵は何の比喩か

村上春樹:エルサレム賞(8)

自分の記録として、先日、姉が送ってくれた新聞切抜きをBlogに記載。 私も村上春樹氏のエルサレム賞受賞に関してはしつこく日記に書きました。 詳細はこちらのカテゴリー ⇒ 村上春樹:エルサレム賞 各新聞社、村上氏の個人を尊重するより、イスラエル批判を優先してしまう。 これはローマ法王;ベネディクト16世のスピーチの新聞報道でも感じました。 イスラエル批判することに対してはこれは個々の意見がある。 しかしならが、個人の、しかも世界でも評価されている人(日本の誇りでもあります) をイスラエル批判のために使用する新聞社のレベルがわかります。 村上氏が文芸春秋で語りたかった気持ちもなんとなくわかる、それに英文原本まで そこには搭載されていた。母もよく言うけど、最近の新聞は程度が低いと。 2009年04月18日 イスラエルを批判したのか  文学者の発言はその作品と同じく比喩や微妙な言い回し、反語などがちりばめられているので、発言の行間を読むような慎重さが求められる。単純な類推で、現実世界の出来事と重ねてしまうと、まったくの「誤読」となる可能性がる。 今年2月、村上春樹はイスラエル最高の文学賞であるエルサレム賞を受賞した。「壁と卵」と題する記念講演を報じる各新聞社の記事と読んで、ちょっと違和感を覚えた。同月16日発行の大阪発行版の隠し (夕刊) を読むと、 朝日は1面で、 「村上春樹さん、イスラエル批判」という見出しをつけ、「イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい卵に例えたうえで『私は卵の側に立つ』と述べ、軍事力に訴えるやり方を批判した」と書かれている。 毎日も同じく1面で、 「イスラエル当地で批判」の見出し、 産経は総合面で、 「国家暴走『個人の力で防げ』 (記事は共同通信) の見出しで、同じような趣旨の記事を載せている。 読売だけは、 「ここに来て、見て、語ることを選んだ」という落ち着いた見出しで、記事の中にもイスラエルに対する批判はない。 (読売は、確かエルサレムに駐在所があります)  村上とあろう文学者が、こんな単純な比喩と二元論でイスラエルを批判するだろうか。講義会場はさぞかし大騒ぎになったのではないかと思ったが、テレビのおニュースを見ると、講演後、聴衆からは盛んな拍手を受けていた。  イスラエルの国民は、他国の文学者に自国を批判され、拍手を送るほどの寛容さを持ち合わせているとは、とても思えない。ガザ自治区攻撃の非寛容さを見ると、読売以外の各社は村上の公園を「誤読」したのではないか、という疑問が残った。 (ガザ攻撃の非寛容さですか、これは余計なひと言です) キーワードは「システム」 雑誌「文芸春秋」の4月号に、「僕はなぜエルサレムに行ったのか」と題する村上のインタビューと、公演全文 (日本語と英語) が載っていた。村上はそうとうに入り組んだレトリック (修辞法) を駆使して、発言している。  村上は、日本では受賞に批判的な声が上がったことを認め、その理由としてガザでの「激しい戦闘」を挙げた。だがこれは事実だけ述べているだけである。言いたかったメッセージは、日本語でゴシックで書かれている、次のくだりであった、  「もし個々に固い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に経ちます」  卵は、殻の中にかけがえのない魂を持った個々の人間を佐須。これに対し、壁は「爆撃機や戦車やロケット弾や白リン弾や機関銃」を指すと言っている。個のきわどい部分で、読売を除く記者たちは「壁=爆撃機など=イスラエル」と誤読し、「イスラエル批判」と理解してしまった。  ポイントは、これに続けて述べたキーワードを理解できなかったためであろう。次のように発言している。  「その壁は名前を持っています。それは『システム』と呼ばれています」  「システム」は英文では "The System" と強調形で書かれている。だが村上が強調した「システム」を、理解するのはなかなか難しい。少なくとも「システム」は関係概念であって、実態概念ではない。つまり、イスラエルやテロ集団などといった「実体」を指してはいない。 聴衆はよく理解  この「システム」について村上はインタビューで、シオニズムやイスラム原理主義、あるいはオウム真理教や1960年代の学生運動の原理主義などを例に挙げている。個々の人間が卵の中の魂や自我を売り渡し、あるいは売り渡さざる得ないメカニズムを指しているように思える。  確かに卵の中の魂や自我を書き、卵の側につくのが文学者の役割である。だが残念なことに、「システム」によって、現実の世の中は構成されている。しかも村上が言うように、「システム」は人間によって作られたものである。  講演の中で。、もっとも重要なキーワードなのに、この言葉は朝日、毎日、産経の記事の中には出てこない。読売だけは「社会システム」と言う表現で伝えているが、村上が言おうとしている「システム」とは微妙に違う。  講演後、村上に批判的な感想を漏らす人もいたという。だがあれだけの拍手を浴びさせたのだから、イスラエルの聴衆は村上の言う "The System" を、日本の記者よりも、よく理解していたのは間違いない。 (いえいえ、こちら側の報道も、私が思うにわざとに壁はイスラエルを指すようなことを報道していましたから、日本の記者のそれとは趣旨が違うように思われます) 土曜日曜に書く:論説委員::福島 敏夫 外国人、大阪好きです。 そうしてたぶん今もまだ西日本にはイスラエル人露天商があるはず?? イスラエル露天商人、大阪好きです。もっとも性格的に合うようなこと言います。 でも、パレスチナ平和団体のNGOは大阪が拠点なんです。 彼ら、露天商がイスラエル人だって知っているのかな?? イラン人だと思っているかな??

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