モモちゃんち

夜の事。。。

ショメが、外出から帰ってきたら、
おうちのまえに何かが倒れてるような、黒い影。


道路の真ん中。。。


あわててよける。。。。




小さなネコが車にひかれてた。



駐車場に車を入れて、慌てて外に飛び出した。

「ねこちゃん？　だいじょうぶ？」


もう、冷たくなってた。。。


近所のヒトが通りがかりに、
「あー。猫ひかれてるでしょ。かわいそうにねぇ。」

ねこにかがみこむ私に声をかけた。
「さっきから、倒れてんのよ。もうだめよ。。。
　あー、気持ち悪いわね。」



道路の真ん中に倒れたネコは、自分のおうちに帰ろうと
家の方をむいて倒れていた。

そっと体に触れると、もうつめたくなってた。

（それでも、どうにかしなきゃ！！
　この子、ここにいたらまた轢かれちゃう！）



道路のむこうから車が走ってくる。

「止まって！　おねがい！よけてっ！」
慌てて、手をふりまわす。

暗い路地。目立たない色の服を着た私に
車は気付かない。



私の目の前で、子ネコが再び轢かれてしまった。
涙が出てきた。
「ごめん。　ごめん。　ごめん。」　

助けてあげられなかった。
お家に帰りたいね。
ごめんね。
お家のヒト、今みんな留守みたいなの。どうしよう。。。



ぺたん。と道路にしゃがみこんだ私の隣に
もう近所のヒトはいなかった。
（早くどうにかしなきゃ。）


震えていうことをきかない膝をむりやり動かして、
家の中に駆け込むと、ただいまもいわずに
タオルをひっつかんで、外に出た。


そうっと、そうっと子ネコの体をタオルでくるんで
抱き上げる。。。

「早くおうちに帰りたいね。
　ちょっと、まってね。
　とりあえず、ここをどこうね。危ないから。」

道路の隅に避難した。
「おうちのひとね、今みんないないんだ。
　おうちのひとが帰ってきたら、
　すぐ、ママネコのとこ帰れるからね。」

それまで、少しだけ、ここでまっててね。


その場を動けなかった。

（近所を散歩する犬がきたらどうしよう。。。）
（誰かが、タオルを知らないで開いたら、困る。。。）


パパさんに頼んで、段ボールに入れた。


しばらくして、おうちのひとが帰ってきた気配。。。


ようやくチビちゃんは、お家にかえることができた。。。


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車を運転していると、そういうことよくあることなんだよね。
（あー、大丈夫なのかなぁ。）とか、
（あー、もうだめだなぁ。）とか。。。

ぱっとみて、通り過ぎるのが、普通。。。
私もそう。。。

でも、それが、当たり前になってしまうのは、嫌だと思う。

車で通り過ぎる時は心が痛む。
心の中で手を合わせる。
助かるときなら、助けてあげたい。。。

エゴでしょうか？
自己満足でしょうか？


誰でも、ちょっとは、（かわいそうに）って思うよね。

なにか私にできることは、精一杯したいと思う。



本当に、哀しいのは…、

おうちを目の前に帰れなかったネコちゃんなのか。

「当たり前」と見なれて何も感じなくなるヒトのほうなのか？