桃の缶づめ

2006/12/15(金)17:47

「きものの花咲くころ」

着物(129)

最近、きもの本はめっきり買わなくなっていたのだけれど、(「美きも」・「きもサロ」は、気になる記事があったら買うけれど)久し振りに面白い着物本に出会いました。主婦の友社から出版された、「きものの花咲くころ」という本で、今もある雑誌「主婦の友」の創刊○周年を記念して、同誌のの着物関係の記事から、興味深いものや、懐かしいものなど、面白い記事をピックアップして、まとめてある本で、近現代の生きた着物史にもなっています。といっても、全然小難しいものはなくて、その当時の生の記事そのものが、実にリアルで面白いんです。執筆陣も、今は瀬戸内寂聴尼として大人気の、瀬戸内晴美さんとか、着物研究家の木村孝さんとか、そうそうたるメンバーが目白押しだし、グラビアも今では押しも押されぬ大女優になってるひととか、鬼籍に入ったひととか、「あ~、こんなに若くピチピチの時もあったのかぁ。」と、時の流れをしみじみと感じてみたり・・女優陣がグラビアを飾る前は、上流階級の夫人や令嬢が、憧れのセレブとして紙面を飾っていたのです。冬の寒さ、夏の暑さ対策なども、今よりも暖房も乏しく冷房も無い時代、どのようにしていたのか、現実がわかって、そして、エコライフが求められる現代に、また再び活用できる知恵もあります。「着付け」なんかでも、時代の変遷で「美しい」とされる着付けが変わってきてるのがよくわかります。戦後の一時期、急激に普及した洋装の影響で、補正をせずに、体の曲線を出す着付け、が綺麗とされた時期もあったのです。たしかに、今見ても、それはそれで、独特のキュートさがある。だから、キモノは人が着るものなのだから、絶対的なきまりとか、正解なんてないのだなと・・時代によってゆるやかに動いていくものなのだから、・・・着物の近現代の現実的歴史を知りたいひとや、レトロものに興味のある向きにはお勧めです。

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