『十二人の怒れる男』 白か黒か
『十二人の怒れる男』 17歳の少年による殺人事件の裁判で集まった、12人の陪審員たち。誰が見ても有罪な証拠が揃い、11人は有罪に投票する中、一人だけが証拠に疑問を持ち、無罪を主張。小部屋での白熱する議論と説得の末、一人、また一人と無罪の方へと心が傾いていく。完全なる密室劇。ほんと、言葉だけでこれだけ展開できる映画って、そうそうないよなぁ。そして無罪を主張する男(ヘンリー・フォンダ)が、一つずつ疑問点を推理するたびに、「あぁぁ、そうかも…?その線があるかも!?」って、目からウロコの楽しさ。一見それっぽい証拠がたくさんあるんだけど、それを一つずつ一つずつ解きほぐしていく。と、少しずつ色んな矛盾点が浮かび上がってきて、ついには有罪の判決がゆらぐ。議論の国、アメリカらしいといえばらしいけど、でも一人の命がかかってるんだもんね。少しでも疑問があったら、簡単に有罪にするわけにはいかないし。色んな角度から、可能性を探ってかなきゃいけない。日本にも裁判員制度を導入するとか言ってるけど、大変だよね~。国民の義務なんだっけ?これって。人の罪の有無を、人が裁くのって、やっぱり難しいよね。。。かといって、誰かが裁かなくちゃいけないんだけど…。何事も、「そういうもんだ」と思って見てしまったら、そうにしか見えないけれど、「もしかして違うかも…?」ってちょっと立ち止まって、違う角度から見てみることって大事。でもねー、もしかしてこの少年、本当に犯人かもしれないんじゃ…?とも思った映画でした。【参考】 goo映画 十二人の怒れる男 裁判員制度コーナー 日弁連 陪審員制度で知っておきたいこと 湘南研究所Judge not, that ye be not judged. ―Bible: Matthew 裁くな、裁かれざらんがためなり。 ―聖書: 『マタイによる福音書』♪本日のBGM Eric Clapton Cream Of映画レビュートラックバック記事:十二人の怒れる男@Cinem@niac*Guilty or Not Guilty@コウカイニッシ。『十二人の怒れる男』感想@書きため