『アンナ・カレーニナ』
ロマノフ王朝時代の帝政ロシア。
貴夫人アンナ・カレーニナ(ソフィー・マルソー)は、
近衛連隊の青年将校ヴロンスキー(ショーン・ビーン)と知り合い、
激しい恋に落ちる。
夫も子どもも捨てヴロンスキーとの愛に走るアンナだが、
その許されない道の果てには、悲しい運命が待ち受けていた。
トルストイ原作の、『アンナ・カレーニナ』、
読んでるんですが…。
読み終わらねーっ!
なんていうか、ロシア人の名前が、とっつきにくすぎだし、
ロシア帝政時代の政治の話なんかが延々と語られてたり、
日本の政治にだって興味ない身としては、結構ツラいもんがあります。
なので、てっとり早く、映画見ちゃいました。
しかし、豪奢な世界の人たちだ。
ロシア旅行で、確かにこれ、デパートかよ?
と思うようなデカい貴族のお屋敷が、道の両脇にずらり並んでたけど。
ほんとに、こんな御殿に住んでて、毎晩舞踏会とかしてたんかなぁ…。
想像もつきませんわ。
しかし、こんなデカい屋敷だったら、暖房もろくに効かないだろ。
寒い寒いロシアなのに。
掃除も大変…って、こんな屋敷に住んでる人たちは、
自分で掃除なんかしないってね。
そして、貴族社会では、恋も不倫も人生のスパイス。
貴族の夫人と不倫をしている息子に、
「戯れはいいけれど、のめりこんではダメよ」という母。
理解があるのか、なんなのか…。
そんなパーティに明け暮れる貴族たちと対照的なのが、田舎の農民たち。
歌いながら、夏のロシアの畑の草刈をする彼らの、
ほがらかで健康そうなこと。
やっぱり人間は、額に汗して働かないと、健全な精神も育たないのかも。
しかし、本を読んでた時も感じたけれど、この映画でも、
アンナとヴロンスキーが、なぜそんなにも惹かれあったのか、
夫や愛する一人息子を捨てるほど、愛に溺れたのかが、
描かれてないんだよね~。
あれ?いつの間にこの2人、そんなに深い関係になってたの?
って感じで。
駅で一目会った時に、お互い強く惹かれあったのは分かるけど、
その後の、その燃えるような感情が、伝わってこなかった。
だからイマイチ、この2人の恋愛には、感情移入できなかった。
アンナが身を滅ぼしていくのも、単に自業自得としか思えなかった。
でも、駅で一目出会っただけで激しい恋に落ちるなんて…。
そんな運命的な出会いが、生きてる間に1度でもあるのだろうか…(謎)。
軍服姿のヴロンスキーは、かっこよかったけど♪
が、ひどい男だ。
夫と子供を捨てる原因となったのに、精神的に参ってきたアンナを、
受け止めてやることもできないなんて。
不倫をしてると夫に告白し、それで離婚して、
晴れてヴロンスキーと夫婦になれると思ったら、そうは問屋が卸さず。
離婚なんかしてやるか、と。
お前とあの男と、一緒になんかしてやるもんか、と。
確かに、それが一番苦しい罰かもしれないけれど、夫の方も厳しいよね。
他の男を愛している妻と、形だけとはいえ、
夫婦でいなきゃいけないんだもん。
まぁ高級官僚としての、見栄とプライドってのも、あったろうけど。
そして、夫と子を捨て、2人で生きることを選んだけれども、
冷たい世間の目を避けるため、家に閉じ込められた女は、
子供と会えないことからも精神のバランスを崩し、
男も、そんな女の相手をするのに、疲れていく…。
よくありがちな悪循環。
やっぱり、一時の愛で燃えた関係は、長くは続かないものなのか。
そんな排他的、堕落的なアンナ、ヴロンスキーと対照的なのが、
キチイとレヴィンのカップル。
ヴロンスキーに惚れていたキチイにプロポーズし、一度は振られたけれども、
ヴロンスキーに裏切られ傷心のキチイを、一筋に愛し続けていたレヴィン。
晴れて結ばれ、幸せそうな2人の姿が、より一層、
アンナとヴロンスキーの不幸な愛を際立たせている。
よかったよキチイ、あんな軽薄な男と結ばれなくて、
なんて思ってしまった。
夫とも離婚できず、一人息子にも会わせてもらえず、
愛していた男からも愛を感じられなくなったアンナは、
とうとう悲しい結末を選ぶ。
「身を滅ぼすほどの激しい恋」というのに憧れるけれども、
もうちょっと上手に、愛と人生を楽しむ方法があったのでは…?
と思わずにいられない。
でも、ヴロンスキーが病気で弱ったアンナを抱きかかえ、
屋敷の階段を下りていくシーン、なんか略奪、って感じに、
ちょっと憧れた映画でした♪
芸能・野球ランキング、お陰さまでランクUP!
今日は何位でしょう…?
【参考】
goo映画 アンナ・カレーニナ
♪本日のBGM
B'z THE CIRCLE
映画レビュー |