*モナミ* SMAP・映画・本
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『なぎさの媚薬2』 著:重松清 『2』というのに気づかずに、 何気なく手に取ってしまいました。 重松清おなじみの、少年小説ではなく、 エロエロのモロ官能小説。 『週刊ポスト』の連載小説だそうで(今も続いているらしい)、 なるほど納得な、エロ加減(笑)。 そんなオヤジ(失礼)向けの、エロ小説なんて、 ちょっとどうかな…、と思いつつ、 だけどやっぱり最後にはホロリと来てしまうのは、 さすが重松清。 なんなんでしょうねぇ? 自己体験と重なる、というわけでもないのに、 なぜか懐かしい気持ちを思い出させる、というか。 まさに、「胸がキューンとする」という感じ(笑)。 …オヤジと同化しちゃった?(爆) 自分の過去のある部分に戻る、というのは、 『流星ワゴン』と似てるけれど、決定的に違うのは、 「自分の過去を変えたい」との望みではなく、 「誰かの人生を変えたい」という願い。 過去に戻って、過去の自分を変えたとしても、 今の自分は何も変わらず、 変えたいと思った人の人生が変わる、というもの。 自分は、普通に平和に暮らしている一方で、 忘れられない誰かの人生が、 思わぬことになっている。 もし自分があの時ああしていれば、 もしかして、その人の人生も、 変わっていたかもしれない…。 その想いが強くなる時、 「なぎさ」という娼婦がどこからともなく現れ、 媚薬の力を借りて、過去に連れて行ってくれる。 過去の自分の判断を変え、行動を変え、 その人のその後の人生を変えたとしても、 自分の今の人生は、何も変わらない。 ということは、愛していた人の人生を変えたとしても、 その人と自分は、共に歩む人生ではない、ということ。 それでも、それほどまでも、誰かを救いたいと願う。 そして今、自分とは別のところで、 幸せに暮らしているその人を思い、あぁよかった、 と安堵する。 性愛とは、離れたところにある、情愛。 こんなにもエロ満載(笑)でありながら、 ものすごく切なくなるなんて、 重松清ってやっぱすごいかも…と思った、一冊でした。
【参考】 『なぎさの媚薬』 ◆その他、重松清の著書は→ ♪本日のBGM
♪本日のBGM
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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