『ガールズ・ブルー』 著:あさのあつこ
オチコボレ高校に通う、フツーの少年少女たちの、
キラキラした、ひと夏の物語。
勉強はカラッキシで、将来もよく分かんないし、
優秀な兄を持っていたり、病弱だったり、
カレシと上手くいかなかったりと、
それぞれ、思春期な悩みを持っている彼女たち。
今がよけりゃいいじゃん!と、
思いっきり開き直っているわけでもなく、
将来を捨てているわけでもなく、
漠然とした不安はもちろん持ちつつも、
幼馴染みたちと、今しかない今を、楽しんでいる。
彼女たちは、あえてそれを意識してないような描き方だが、
大事な一瞬を楽しんでるんだ!という強烈な印象が、
そんな時代は遠い過去になってしまった(笑)胸に、
鋭く突き刺さってくる。
ただ、高校1年の英語は、中学1年の1学期レベルで、
年間10人前後の退学者が出る高校のわりには、
彼女たちの会話が、なかなかウィットに富んでいて。
もちろん、実際に彼女たちがしゃべっているわけでなくて、
作者がしゃべらせているんだけれど、
そういう会話を、彼女たちにさせるのならば、
そこまでレベルの低い高校に設定する必要が、
あったんだろうか?
この頭の回転の速さは、バカじゃぁできないだろ、
と感じたのが、ちょっとチグハグな印象を受けたけれど。
どこか冷めていて、「一生懸命」だとか、「信じる」だとか、
そんな言葉には動かされない、イマドキの子たち。
けれど、雨にも溶けてしまいそうなほど病弱な友人
(でも吐く言葉はかなり辛らつ)との、
下手な感傷などないけれど、大事な存在であることが、
漫才のような掛け合いの中に垣間見られるのが、
あぁいい関係だなぁ、と、羨ましく思ったり。
ファミレスとか高校野球とか花火とか海とか、
夕立が降った後の、爽やかな青空のような、
一冊でした♪
ランキングも
よろしくお願いします♪
【参考】
◆その他、あさのあつこの著書は→
♪本日のBGM
読書感想 |