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2007.03.29
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テーマ:お勧めの本(7203)
カテゴリ:


『プラネタリウムのふたご』

著:いしいしんじ


プラネタリウムに捨てられていたふたごの赤ん坊に、
彼らを拾ったプラネタリウムの解説員は、
双子彗星にちなんで、テンペルとタットルと名づけた。

ふたごはプラネタリウムのある、
星の見えない村を遊び場に、いつも一緒に育つ。

そんな彼らが、ある日突然、離れ離れに。

ひとりは郵便配達夫をしながらプラネタリウムの解説を。
もうひとりは手品師になり、世界中を放浪する。



この人の語り口は、とても優しくて、
それだけで癒される。
登場人物もみな、温かな人たちばかり。


どこの国かも、いつの時代かも、分からない。
日夜稼動しているパルプ工場の煙で星の見えない、
山に囲まれた村で、村人たちの唯一の楽しみである、
プラネタリウム。

そのプラネタリウムに捨てられていたふたごを拾い、
育てたのは、プラネタリウムの解説係の、
笑っていてもいつも泣いてるような顔の、「泣き男」。


親の知れない子らなのに、そこに悲哀はなく。
外国の工場に頼るしかない貧しい村なのに、
悲惨さはなく。
暗く大きな山に阻まれ、外を知ることもできないのに、
陰鬱さはなく。

一つの大きな家族のような村の中で、
いつも一緒にいるべきふたごが、運命のいたずらで、
別々の道を歩む。

プラネタリウムの解説員になったタットルと、
手品師になったテンペル。


プラネタリウムも手品も、人を騙すもの。
幻だと知っていても、その幻に人は喜び、楽しみ、
現実を、日常を忘れる。

いかに人を騙すか、ではなく、
いかに騙されるかを楽しむ。
騙されるにも、才覚がいるんだという。


「ひょっとしたら、より多くだまされるほど、
ひとってしあわせなんじゃないだろうか」
というタットルの言葉に、はっとさせられた。

そういう風に考えることのできる世界は、
どんなに幸せなことだろう。


離れ離れになり、それぞれの道を歩み、
常に互いを思いつつも、必要以上に追いかけないふたご。
それは、星空で繋がっているから。


ずぅっと離れ離れだったふたごの再会は、
悲しい形で適ってしまう。

とても悲しいけれど、なぜかすがすがしさを感じるラスト。
テンペルとタットルの一番の大嘘に、喜んで騙されたい。


プラネタリウムで夜空を見上げたくなる、一冊でした。



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【参考】
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最終更新日  2007.03.29 00:16:22


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