*モナミ* SMAP・映画・本
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『黄昏の百合の骨』 著:恩田陸 「魔女の家」と噂される洋館に隠された秘密、 「自分が死んでも理瀬が半年以上住まない限り、 家は処分してはならない」 亡き祖母の遺言の意図とは? 洋館の周りで次々起こる事件。 理瀬にも危機がせまる。 恩田陸の作品は何冊も読んでいるのに、 未だにヤられる。 そのヤられた快感がたまらなくって、 そしてまた、恩田作品を手に取ってしまう。 美少年、美少女が登場する、『三月は深き紅の淵を』、 『麦の海に沈む果実』に続く、「三月シリーズ」の、 最終章らしい。 短編集、『図書室の海』の中の「睡蓮」とも、 リンクしているという、周到さ? まとめて1、2、3とかってしてもらいたいけれど、 こんな風にあちこちに散りばめられているのが、 恩田作品らしいといえば、らしいのか。 『三月は~』は、まだ読んでないんだよね…。 しまった。 けど、まだ今から読めるんだ!って楽しみが、 ふつふつと。 不思議少女理瀬を巡る、哀しい「血」の物語。 彼女が子供時代を過ごした洋館には、秘密が。 それを暴く過程は二の次、三の次でいいと思うぐらい、 理瀬を取り巻く人々の魅力に、憑かれてしまう。 常にある意思を持っていながらも、ふと見せる理瀬の、 その年頃の少女ならではの気持ちの揺れが、 新鮮だったり。 特別な少女だけれども、普通の感情がまだある、 ということが、異次元風の物語の中にありながら、 世俗的な現実に引き戻される。 その世俗的な世界でも、魔女と呼ばれる2人の姉妹が、 異彩を放ち。 どう見ても、理瀬の味方ではない彼女たちだが、 事の発端となる祖母の死は、意外な人物によって、 もたらされたものであったのだ。 古い洋館ならではのロケーションをフルに使った、 絡み合う思惑と、引き起こされた殺人。 理瀬がどんな世界に生きているのか知らない少年に、 ふと寄せる感情。 理瀬と同じ側には行けないことを苦悩する亘の切なさ。 青春の壊れやすい感情を、どうしてこうも繊細に、 表現することができるのだろう。 しかし結局は、自分の生きる世界を忘れて、 生きることなどできないという、 悲しみを超えた理瀬たちのファンタジックな人生に、 どうしても惹かれてしまう、一冊でした。 『三月は深き紅の淵を』 『麦の海に沈む果実』 『図書室の海』
【参考】 ◆恩田陸の著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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