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*モナミ* SMAP・映画・本

2008.08.14
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[ウクライナ] ブログ村キーワード


『ペンギンの憂鬱』 著:アンドレイ・クルコフ


恋人に去られた孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギン、
ミーシャと暮らす、売れない小説家。

生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、
そのうち、まだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの、
「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがて、
その大物たちが次々に死んでいく。

舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。
ヴィクトルの身辺にも不穏な影がちらつく。
そしてペンギンの運命は。



主人公ヴィクトルと愛すべきそのパートナー、
ペンギンのミーシャ。

ヴィクトルの膝に腹を摺り寄せてくるその動物は、
めったに鳴き声もあげないけれど、その存在感たるや。

出会う人全てを魅了するミーシャ。

ペンギンというのは、なぜか人間に似ている。
2本足で立つその姿もそうだし、白と黒の服を着て、
ちょっと前かがみなその姿は、ちょっと自信喪失気味な人間を、
髣髴とさせる。


まだ生きている人間の追悼記事を書くという仕事を得た、
売れない小説家。
変わった仕事だと思いつつも、ある人物の一生を物語風に書くという、
それなりに創作意欲を刺激される仕事に満足していたヴィクトル。

しかし、その追悼記事を書いた大物たちが次々と死ぬようになり、
その葬儀に、ミーシャとともに借り出されるようにまでなる。


主人公のヴィクトルは、女性とはあまり上手くいかないらしいが、
ミーシャや友人に対しての物腰はとても柔らかく。

ペンギンじゃないミーシャが残していった娘、ソーニャを、
生活ペースが乱されると思いながらも、面倒を見てやり。
ペンギンを連れて氷の上のピクニックなんて、のどかそのもの。

ソーニャのベビーシッターとして雇ったニーナと3人と1匹で、
それなりに幸せな日々を過ごす。
しかしそれは、「擬似家族」だと感じているヴィクトル。

暖かに描かれる日常の中で、時々よぎる暗い影が、
なんともいえない不安定感をかもし出す。

ヴィクトルの周りの人間も、次々と姿を消していく。
それも、淡々と。
ソ連崩壊後のキエフという町では、不思議でも何でもないと、
言うかのように。


やがて、病気になって入院してしまったミーシャ。
憂鬱症で一人ぼっちのペンギンを南極に帰そうと画策するが、
ヴィクトル自身の追悼記事を書いた、という男が現れ…。


スパイものでもサスペンスでもミステリーでもなく、
一見、あたたかい物語ながら、どこかシニカルというか、
物事を醒めた目で眺めているように感じられるのは、
やはりその国の不安定な情勢を映し出しているのだろうか?

なんとなく、希望なんてあんまり持てない、持たない方がいい、
という空気が、全編にわたって漂っているような。


と、あまりなじみのない国(ウクライナ)を舞台にした、
あまりなじみのない国(ウクライナ)の作家の小説自体にも、
新たな感覚を味わった一冊でした。



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【参考】
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最終更新日  2008.08.14 22:48:38


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