2008/10/18(土)13:32
『ララピポ』 奥田英朗
[奥田英朗] ブログ村キーワード
『ララピポ』 著:奥田英朗
人恐怖症のフリーライター、杉山博(32歳)。
ノーと言えないカラオケボックス店員、青柳光一(26歳)。
A V・風俗専門のスカウトマン、栗野健治(23歳)。
文芸コンプレックスの官能小説家、西郷寺敬次郎(52歳)。
専業主婦にして一応A V女優、佐藤良枝(43歳)。
デブ専裏 DVD女優のテープリライター、玉木小百合(28歳)。
神は何故、この者たちに生を与えたもうたのか?
希望落差社会を笑い飛ばす、負け組たちの大祭典。
全編エロです。
表紙からして超エロです。
残念なことに図書館で借りたのでカバーがしてあり、
全部は見れなかったのだけど。
エロ嫌いじゃないけどさ(笑)、解説書くのに苦労したよ。
「わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています」
が何度も出て、編集出来ないんだもの(笑)。
そういう表現ばかりの小説です(笑)。
章が変わるごとに、別の章の登場人物が主人公になり、
読み手としてはその事象の、こちら側とあちら側を知る事ができる。
しかし当然、登場人物たちは知るわけもなく。
小さなアパートでそれぞれ、欲望まっしぐらの日々を送る。
負け組、というか戦うことすら放棄した、社会の底辺に生きる人々。
どいつもこいつも、なんちゅうことしとんじゃ…と呆れるけれど、
けれどもそれは決して他人事じゃなくて、もしかしたら自分自身かも。
大事件にはならなくとも、日々起こる小事件。
自分自身でなくとも、三軒両隣ぐらいで起こってそうな出来事が、
ブラックに展開される。
東京にはたくさんの人がいる。
a lot of people。
希望溢れる人もいる。
成功している人もいる。
しかし大多数の人は、成功体験もなく、何かを達成したこともなく、
人から羨ましがられたこともない、才能も容姿も人並みの人たち。
そういう人たちは、どうやって生きていっているのだろう?
という疑問を感じつつも、まぁいいか、と日々生きている自分。
目の前に起こることに対処していくので精一杯。
もしくは、目の前で起こっていることに気づかないフリをするのに、
精一杯。
映画化されるらしいけれど、いいのか…?
どこまで描くのか?
全編SEXなのに(笑)。
映画『ララピポ』 公式ホームページ
違う章では脇役を演じているけれども、もう一つの章では主人公を演じる。
人生って、そういうものなのかもしれない、と思った一冊でした。
ただ、こんな人たちばかりが集まってるところで、
自分も主人公を演じたくはないけれど(笑)。
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【参考】
◆奥田英朗の著書は→
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