*モナミ* SMAP・映画・本
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『テロリストのパラソル』 著:藤原伊織 アル中のバーテンダー島村は、20年前のある事件がきっかけで、 名前を変え、過去を隠して生活していた。 穏やかな秋の日、新宿中央公園。 いつものように島村は、朝から公園でウイスキーを飲みながら、 ウトウトしかけたその時、突然爆音が響いた。 何らかの爆発物が爆発し、死傷者が多数出る。 被害者の中に、かつて学生運動で共に闘った友人・桑野や、 3カ月だけ同棲した女性・優子が含まれていたことを知る。 公園に置きっぱなしにしてしまったウイスキーの瓶から、 指紋が割り出され、島村は今回の事件でも疑いがかかることに。 否応なく事件に巻き込まれた島村は、犯人を見つけようとする。 携帯があるにはあるけれど、今ほど普及しておらず、 「全共闘世代」がまだ意味を持っていた時代の、 ハードボイルドミステリー。 穏やかな秋の公園で、いきなり爆発事故が起こる。 事故か事件か、爆破テロか…。 冴えないアル中の中年バーテンダー島村は、 急いで現場に駆けつけるも、警察から逃れるようにその場を去る。 なぜなら彼には、後ろ暗い過去があったから。 しかし、公園に飲みかけのウイスキーの瓶を置いてきてしまう。 それに気づいた時には、警察は彼の店のそばにまで迫っていた。 ハードボイルドにうってつけの(爆)謎の美女も現れて、 またその美女がハードボイルドにうってつけに無鉄砲で(笑)、 島村と共に真犯人を突き止めようとする。 次第に明らかになる、被害者たちの接点。 過去の事件と、今回の事件の接点。 全くの別人になりきり、20年もの間封じてきた過去と感情が、 噴き出す。 いや、封じ込めようとしても封じ切れなかった感情が。 ひたすら機会を待ち、これ以上ないくらいの形で復讐を遂げようと、 ただそれだけの思いで、完全なる計画を練っていた感情が。 複雑に入り組んでいるように見えて、単純な人間の感情。 それに20年以上もの間、振り回されとり憑かれてきた男たちと女。 あんなに熱く、自分たちが描く正義のために戦った時代の面影は、 跡形もなくかき消されてしまったかのように一抹の寂寥感の漂う、 一冊でした。
【参考】 ◆藤原伊織の著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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