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January 23, 2005
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それは 山奥の厳粛な風景。

 

太い杉の幹に囲まれた畦道に 濃い霧がかかっている。

目線をそのまま上げていくと

真っ黒な杉のシルエットが、遠くから静かに 迫って来るよう。

 

止まると、汗がひんやりと伝わって来る。

…歩き続けないといけない。

まだ追い付かれてはいけない

 

慣れた足を前へ出すだけで 私の体は規則正しく動き出す。

体がそうなってる。

 

それから5分と待たず 朝日は霧を伝って線状の光を刺して来た。

それでもまだ、私にだけは光は届かない。

 

「山にかえりたい」なんて 今頃思うのは、

何も発せず 何も感じず 何もない状態で過した時間が

山にはあるから。

 

私はここをよく知ってる。

狂った私を含んで 知らん顔する。

 

何からも 逃げる必要はない。

 

 

京極夏彦の「鉄鼠の檻」を読み終わった。

きっと私はまた この本を何回も開くんやろう。

 

こんな本 なかなか無い。

 






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最終更新日  January 23, 2005 11:24:44 PM
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