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カテゴリ:システムトレード
安易な検証で、システムトレードはすべきでない。と思っている。
システムトレードにおいて、 「システムの出すサインに従い続ける」ことは肝要であるが、 (それがたとえ、ドローダウン期間中であっても) そのことは裏返せば、全ては、そのシステムが統計的 優位性(エッジ)を持つかどうか?それはどれくらい 確からしいのか?ということにかかっている。 例えば、勝率40%、期待値-1%のシステムに従い続けたら どうなるか?1回あたり1%ずつ負けていくのだから、 100回トレードしたところで、(平均的な結果としては)破産する。 「勝率40%」なら分かりやすいが、1回あたりの 勝ちトレードの平均利益と、負けトレードの平均損失の バランスによっては、「勝率60%」や「勝率70%」であっても、 期待値が-1%のトレードシステム、というのはいくらでも あり得る。 (それらも、続けていると、もちろん破産する。) よく検証していなければ、勝率は高いのだから、日々の取引では 勝ちのほうが負けよりも多いのだから、「システムは正しい」 と信じ続けることになる。 そして、そのシステムにしたがってトレードしてたら、 気がついたら丸裸・・ということに成りかねない、ということになる。 (あるいは勝率90%のシステムでも、たった一回の負けで 破産するようなものもあると思う。) システムの検証期間が、十分に取られているか?ということは 大切である。短い検証期間しかないシステムでは、通用しない。 カーティスフェイスが書いているように、ITバブルのころ 多くのデイトレーダーが誕生したが、当時と同じ投資方法を 続けて、今や退場の憂き目を見ている人のなんとおおいことか、 あるいは、日本株式市場では2003年~2005年の上昇相場を 資産を何倍にも増やしたトレーダーの多くが同じ方法で2006~2008の 下落相場で資産を失った人がいかに多いことか。 つまり、統計的優位性を計る上では、統計を取った"標本集団"が 母集団に対して、どのような特徴があるのか?を考慮しなければならない。。 大統領選挙の結果を、投票主権者の1%の標本で、予想しようと したとき、標本集団が、民主党支持者のうちから1%抜いてきても、 その統計には意味はないのである。 (共和党支持者のサンプルがごっそり抜けている) 相場における過去の検証についても同じことが言える。 システムトレードにおいて"検証"とは、将来を含めた全期間の 母集団のうちから、"過去"という我々にとっては既知のサンプルより 将来起こることも同様の確からしさで生起しうるかどうか?を 計るものであるから、 標本集団が、上昇相場だけ、とか下降相場だけ、とかの小さな サンプルで検証を行うと、将来は全く通用しないシステムが 出来上がってしまうのである。 (それらは、おそらく上昇相場や下降相場でしか通用しない 「売買ルール」であるが、投資家が今直面している相場が 上昇相場であるか、下降相場の真っ只中にいるのかは、 将来になって過去を振り返って見なければ、今の時点では わからないので、そういうシステムは、意味がない。) ゆめゆめ、中途半端な検証で「システムトレード」らしきものを 実行し、大事なお金を失わないようにしたい。 (そのシステムが、統計的におかしなものであって機能しない、のか たまたまその時期、ドローダウンが起こっているだけなのか?と いうのは、通常、トレード期間中は、将来が予測できないのと 同様に、判断はできない。したがって、中途半端なシステムであっても 従い続けるよりなく、結果、大きな資産を失うことにつながりかねない) なんとなく今回は、「だ・である」調に してみました。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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