1株1円以下!?
モンゴリアンマイニング(MM)という香港に上場している会社のことは、以前このブログにも書きました。要するに、モンゴル企業初の海外上場をした企業でありましたが、その後大幅に株価が下落したと書いたのです。MMは2010年に香港市場に上場し、その時の株価はHK$7.02で、約500億円余りを調達しました。間もなく株価は一時はHK$10を超えましたが、その後急激に下落した(95%以上の下落)というものです。その株価が、とうとうHK$0.036まで下落したのです。上場値との比較ではなんと99.5%もの下落率です。しかもこの株価、円でいくらかというと0.036X15.22円(円/HK$)=0.55円と、なんと1円以下なのです。確かに昨年HK$0.2を割るほど株価は低迷していましたが、今年になって急激に下落しています。いったい何があったんだろうと思いました。で、以前の私が書いたブログを見たら・・・理由は推測できました。ブログによると、2012年3月に総額600億円程度のドル建て社債を発行しており、その償還が2017年となっているのです。当初はその償還資金がないことによるデフォルト予測かなと思いましたが、まだあと1年あります。ですが、金利は払わねばなりません。この金利が8.875%です。単純計算で54億円ほど。しかも借りたのが2012年ですから、もしこれらの資金をトゥグルグに替えていたら、ドルを買わねばなりません。おそらく為替は40%程度は下落しているでしょうから、感覚的には年利12%以上の金利でしょう。金利支払いの時期はわかりませんが、通常は発行期日をベースにしますから、3月には支払いが必要となるのではないかと思います。そんなお金、あるんでしょうかね?もしかして金利支払い停止の噂が、この株価急落の背景にあるんじゃないかと思います。そうなるとデフォルトになり、その後は倒産となってしまうでしょう。この石炭不況の真っ最中では、巨額の負債を肩代わりして救済しようという企業も投資家も出てこないでしょうから。もしそうなったら、いろいろ面倒です。MMが倒産しても一般庶民には関係なさそうですが、なんせモンゴル初の海外上場した会社です。モンゴルの信用が一気に消え去り、トゥグルグ相場も一段と下落してしまうんじゃないかと心配です。それにしても、1株1円以下の上場株式って、あるんですかね、他の市場でも?時価総額はおよそ54億円です。借入や社債などの総借入額は985億円もあったわけですから、実に時価総額の20倍近くの借金がある会社です。生き延びることが難しいと見られているから、こんな株価なんでしょう。モンゴル経済への悪影響が出ないことを望みます。