「ダンシャリ」講演会??
「今日の午前は内閣官房長官への訪問です」との声でスタートしました。前日と同じように、政府庁舎へ入り、案内されるままザンダンシャタル官房長官と会いました。前日の大統領と同じように、私が英語のプレゼン資料を見せながら日本語で話し、それをUさんがモンゴル語に通訳をする、という形で進めました。すると、12―3分ほど私がプレゼンし続けていると、官房長官が資料をパタリと閉じ「実は、昨日のうちに資料を拝見し、勉強させていただいておりました。また今朝はK先生にも会い、田崎さんのことを教えてもらいました。」と言うではないですか。要するに、内容についてはもうわかっていますよ、ということです。そして基本的には私の考え方に賛成だというのです。その上で、官房長官のご意見も伺いました。結構、ざっくばらんに話してくれましたし、政府として困っていることも話されましたが、もちろんここでは書けません。ま、私の考えに賛成だからすぐにどうなるということではもちろん、ありませんけど。前日の大統領も今日の官房長官もモンゴルを良くしたいという気持ちの上では、同じ方向であるということはわかりました。ですが、だからと言って、何かが変わるわけではないので、こうした面談が何かにつながるのかどうか、私には全くわかりません。昨日、今日のところは、私とモンゴル政府関係者(大統領と官房房長官)が意見交換をしたという以外には何もありません。今後また会う機会もあるかもしれませんが、そうした話は今後はこうしたブログにも書きづらくはなるでしょうね。この日の夕方は「ダンシャリ」講演会でした。今回モンゴルにて再出版することになった私の本について、1月に来るときに講演をしてほしいと頼まれていました。私は気楽に、いいですよ、と答えていたのです。当然、経営者関係の方々が集まるものだと思っていました。が、わずか二日目に「マーケティング関係者の方々が聞きにきます。」と言われました。「マーケティング?いや、別に私はマーケティングの話をするつもりはりませんよ」と答えたのですが、聞きに来る人達はどうもそうではなかったようです。オーストラリア留学中のモンゴル人のEさんから「今日、マーケティング協会の人向けに講演するんですね。フェースブックに出てました!」とメールが来ました。どうもマーケティングの勉強のつもりのようです。ちょっと違うんだけどなー。会場はコーポレートホテルです。都心のではなく、ジャパンタウン方面にできた新しいコーポレートホテルです。行ってみると、会場で準備されていました。ですが・・・結論を先に言いますと、モンゴルのホテルはやはりひどい、の一言に尽きるということです。とてもじゃないけど、国際会議どころかまともな会場運営も全くできないレベルだということがよくわかりました。私がパソコンの準備をしていると、会の主催者から「あとはホテルの技術者が来てやります」とのことでした。準備と言っても、電源を入れて、プロジェクターの準備をするだけのことです。ですが、そんな簡単なことでも、技術者を待てと言われれば待つしかありません。で、コーポレートホテルのジャンパーを着たスタッフがやってきました。私はすぐに「このスタッフ、怪しい」と思いました。なぜなら、技術者どころか、電源コンセントの場所さえわからずに探しているのです。オーディオやプロジェクター機器がたくさんある中、コンセントの場所すらも知らないのです。いかにもこんな場所、初めてきましたって感じで。新しいホテルですから、当然プロジェクターも天井備え付けです。プロジェクターのコードを私のPCにどう差し込むのかもよくわかっていないのです。それでもなんとかセットしました。でも映りません。いろいろ調整してみますが、全くできません。もう開始時刻は過ぎていますが、全然映りません。別のパソコンでもやってみますが、それもだめ。遂には、コーポレートホテルのパソコンを持ち込みますが、それもだめ。要するに、何を使っても映らないのです。こんなの、普通なら会議室にプロジェクターが置いてあって、2-3分ですぐにやれるようなレベルの話です。このコーポレートホテルが、格好いいパンフレットで宣伝をしているのを知っていますが、こんな初歩の初歩レベルでも何もできないのを見ると、やっぱりモンゴルは数十年は遅れていると思ってしまいます。モンゴル人はこういうのを見ても「いいえ、モンゴルは大丈夫です。こんなのたまたたまです」んどと言いますが、会議をする人にとっては「たまたま」ではないのです。100%機能しなければ、それは「できない」と同じ意味だということをモンゴル人は知らないのです。結局、プロジェクターなしで講演会的にやりました。内容はマーケッター向けではないし、プロジェクターはないし、とても効果的な講演会だったとは思えませんが、なんとか終えました。それでも、なぜかその後展示即売会(?)的になっているのか、私の本を手にした人たちが並んで、即席サイン会となりました。私の本に関しては、モンゴルでの印税は全部放棄しているので、売れたからと言って何か入るわけではありませんが、一人でも多くの人に手に取っていただけるのはうれしいものです。こうした若いマーケッターから、一人でもモンゴルの新市場を切り開くような人が出てくることを祈っています。