|
カテゴリ:日本語教員・N学校
いよいよ明日から7年生の日本語の授業が始まります。
朝9時から2コマやって、その後大学へ行って例のイギリスの大学の授業をやります。スケジュールを入れているうちに、なんだか落ち着かないような日程になってきました。 明日の授業どうしようかなと思っていたら、夕方日本語の先生のDさんから携帯にメールが来ました。 「今日、予定通り塾へ来てくれますよね?」と。一瞬「はぁ?なんだっけ?」と思ってしまいました。で、思い出しました。 私が先週N学校へ訪れた時、帰り際に「私の塾の先生もお願いね。同じ料金で。」と言われたのです。私はお世話になっているDさんですから、思わず「はい、いいですよ。」と言ってしまったのです。 そしてその日が、今日の夜でした。つまり明日の授業よりも先に、塾での日本語の先生デビューというわけです。 Dさんの生徒さんは皆、今度の日本語検定を受ける人ばかりです。ですから、基本的には話せるのです。 ですが、生徒がより日本語を理解しだすといろいろ疑問も出てきます。日本語の言い回しとか、そもそも日本人の考え方の背景などから説明しないと、すっきり理解できないことも多いのです。 生徒さんから面白い質問を受けました。 「日本人は、奥さんが旦那さんが本当にお世話になっているかわからないのに、あるいは実際にはお世話になっていないのに、旦那さんの会社の人と会うと「主人がいつもお世話になっています。」ということがありますが、どうしてですか?」と。 なるほど、いい質問です。こういう会話は、やはり日本人の考え方や大げさですが歴史的背景から説明しないと、腹落ちはしないでしょう。 ということで、私は聖徳太子の「和をもって尊しとなす」から話を始めました。こういう余計な話でも、話すことと聞くこと自体が生徒さんには日本語の勉強になります。 更には「できた奥さんですね。」と言われる意味、「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」のように「偉い人ほど謙虚な態度を持つことが大切」というカルチャーなども合わせて話すと、とても興味を持って聞いてくれました。 そして「その言葉、私のノートに書いてください」とまで言われました。モンゴルでは、偉ければ偉いほど威張るものだと思われていますから、かなり新鮮だったようです。 こういう話を理解できるほど日本語のレベルはかなり高く、結構日本人との接点は多いようです。 ですので、一連の私の話を聞いた後「今までの日本人の話し方や態度の意味が良くわかりました。素晴らしいですね、日本人は」とまで言われました。 私は「でも、それは日本という島国でたくさんの人が仲良く暮らすための知恵なのだと思います。問題は、この考え方が外国ではほとんど通用しないので、結構誤解されることが多いのです。」とマイナス点も例をあげて説明しました。 「すいません」の多用は、日本国内では対人的な緩衝材としてかなり有効ですが、直接的な表現を好む国の人にとっては「日本人は、本当に悪いと思わないときでも、すいませんという言葉を使うから気をつけろ。嘘つきだ。」と誤解されるなども、背景がわからないことが原因でしょう。 授業の最後に「来週も来てくれるのですか?とても楽しかったです。」と言ってもらえたので、今後しばらくはDさんの私塾にも通うことになります。 ただ、こういうレベルの高い生徒さんはいいとして、明日は子供たちです。きっと予想外の反応があったりするのでしょう。何事も、未経験のことは不安もありますが、楽しみでもあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.06 23:46:31
コメント(0) | コメントを書く
[日本語教員・N学校] カテゴリの最新記事
|