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カテゴリ:モンゴル国立大学・授業風景
今日、大学院の授業がありました。実は、このブログには今まではあまりはっきりとは書いていないのですが、ちょっと学生のやる気というか、レベルというか、そういうのにいささか閉口しています。
私の大学院の授業ではHBS(ハーバードビジネススクール)で使われているケースを使って授業をしています。 ケーススタディは、本来は事前に相当読み込んでいろんな分析をしてから臨んでもらわないといけないのですが、そこがさっぱりなのです。 もちろん私は事前に論点を出して、どういう観点で予習をしたらいいかは紙で事前に伝えてあります。ですが、全然読んできてないのです。 読み込みが浅いとか、考え方は甘いとかいうのであればなんとか授業にできるのですが、全く何も読んできてないのです。 授業に来るのに、ケースも持たずに紙と鉛筆だけ、という人も何人もいました。 この授業は出だしから「英語が全くわからない」などで2回ほど遅れているのですが、それでももう数回はケースでの授業をやっています。 でも、全然なのです。今日は8人の出席者でしたが、ちゃんと読んできた人はゼロでした。読んできたという顔をしている人もいたのですけど・・・ 今日のケースはA社の子会社であるB社からの戦略提案を受け、A社のCEOはどう判断するか、というような流れなのですが、「CEOはどんな判断を求められているのか?」と聞いても、誰もわかりません。 A社とB社の関係は?という単純な質問にも誰も答えられません。ケースの最初のページにB社はA社の子会社と書いてあるのに、それさえもわからないというのです。 最後は「CEOの名前は何と言いますか?」と聞いて、ようやく一人だけ、ケースを見ながら答えられたというレベルです。 もちろん、すべて通訳付きです。通訳のSさんもさすがに呆れていました。私は改めて「ケースを読んできましたか?」と聞くと、ほとんどが「いいえ」です。 ちょっとだけ見たという人も2人いましたが、その理解度は基本的なこともわかってないようです。 しかも今回は前回が祭日だったので、2週間も時間がありました。が、誰もやってきてません。 まあ、学生なんてそんなもんさ、とも思うのですが、なんで大学院にまで進学して、わざわざ私の英語のクラスまで選択してこうなのか、ちょっと寂しい気持ちになります。 昨年の大学院クラスも最初は戸惑いましたが、皆頑張ってついてきて、最後には生徒らから記念品をもらうほどに盛り上がりました。 昨年は私から「どうしても辛いなら、レベルを下げて講義形式に変えるから、クラスの皆で相談してくれ」と言いました。 すると皆で相談して「私たちも頑張るから、今のままで続けてほしいと皆で決めました」と言われ、最後まで頑張ったのです。 ですが今年の生徒は、そういう気概もなくただ何も言わずに座っているだけです。ケースを読まずに、しかもケースを持たずにやってきて、それで済ませたいという感じなのです。 8人とか10人とかいれば、いくらなんでも1人や2人はやってきてるもんですが、それが全くいないので困っています。そして私に何を言われてもほとんど無反応です。 教師の仕事の一番のモチベーションの源泉は生徒だと思いますが、ここまでやる気がないと、こっちも萎えてきます。 もともと授業のレベルは、こちらの生徒の理解度や基礎能力に合わせると日本でやる時の半分以下でしかできませんが、それすらも到底届かないとなると、辛いものがあります。 「それでもなんとかするのがいい先生」なのかもしれませんが、義務教育年齢とは違うわけで、わざわざ大学院にまで来てることを考えると、どこまで落として授業をやるのがいいのか考えてしまいます。 ま、これ以上書くと、ぼやきが増えますので、この程度にしておきます。 ただ、モンゴルという国の将来を考えた時、心配です。ビジネスの現状を見ているとアメリカや日本とは比べようもないですが、中国や東南アジアなどの人たちよりも明らかにビジネスの基礎的能力は劣っているように見えます。 しかるに、若い世代が「このやる気のなさ」では本当に大丈夫かなと思ってしまいます。それを応援するために来ているのですけど。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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