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カテゴリ:モンゴルの生活(日常)
タクシーについては、以前も何度かお伝えしているように、圧倒的に白タクが多いです。
白タクといっても、日本のようにナンバーが白いというわけではありません。モンゴルでは、営業車ナンバーはありません。 ここでいう白タクとは、非公認タクシーのことです。街を走っているタクシーの8-9割は、白タクと言っていいでしょう。 白タクは、個人が勝手に客を取って乗せているだけのもので、私が「今日はちょっとおこずかいが欲しいから、タクシーやろうかな。」と思ってやることもできるわけです。 もっともモンゴル語ができないので、行き先もわかりませんけど。 日本では「白タクは怖いから、ちゃんとした正規のタクシーがいい」というのが常識ですが、日本の常識はもちろんここモンゴルでは通用しません。 もし、正規のタクシーと白タクがあったら、私は白タクを選ぶでしょうね。白タクがディスカウントしてるから?いいえ、その反対です。 タクシー料金は、政府が「1キロ当たり500トゥグルグ」と決めています。ガソリン価格の変動などで、時々動きますが、過去2年間のほとんどの時期はこのレートでした。 白タクに乗ると、経験上大体この距離はいくらかわかりますので、私は「はい、1500トゥグルグ(100円)」と言って、運転手に渡します。 ここでのコツは、「いくらですか?」なんて聞かないことです。明らかに外人とわかる人が「いくらですか?」って聞くのは、日本語でいえば「あなたはいくらお金が欲しいですか?」と聞いているようなものです。 外人がいくら欲しいかと聞いてきたら、そりゃあ誰だってたくさん欲しいに決まってます。 「3000トゥグルグです」などと相場の倍くらいは平気で言います。3000と言われて、相場の1500まで交渉するのはかなり面倒です。 「高い!」と言ったところで、それが2500とか2000になればかなり交渉成功と言えます。なので、私は、値段は聞きません。 降りる時に「はい、1500トゥグルグ」と言って渡します。もちろん、相場を下回れば怒るでしょうが、相場かそれにちょっと上乗せした程度を、有無を言わさない雰囲気で渡せば、ほとんどの場合大丈夫です。 なぜ、正規のタクシーではダメなのか?それはメーターがあるからです。日本人の常識では「メーター付きは安心」と思うでしょう。私もそうでした、最初は。 ですが、ここは日本ではありません。モンゴルです。モンゴルのメーターは、ほとんどインチキ操作しています。軽く2倍から3倍早回ししています。 なので、いつもは1500かなと思うような距離も4000などと表示されるのです。これは面倒です。表示が4000とあるので、交渉も難しいです。なんせメーターに書いてあるのですから。 早回ししている!などという難しいモンゴル語をわかるはずもなく、当然交渉すらできません。 こんな経験を何度かやって(正規のタクシーのほぼ全ては、経験上インチキだと思います)、今では白タクしか乗らないというわけです。 モンゴルでは、正規のタクシーのほとんどはヒュンダイの小型車です。ほとんどが10年落ち以上の古いオンボロです。 こういうタイプが多いです。これは新車時のきれいな写真ですが、これが10数年たったかならずどこかが壊れているようなオンボロが多いです。 白タクの場合も、このタイプが多いですが、実際には普通の個人の車ですから、ヴィッツもカローラもサニーもなんでもありです。車種や外見に関係なく止まってくれる車がタクシーなわけですから。 街の中でも、このタクシーがうろちょろうるさい運転をしています。日本でも、大阪や博多辺りで、やっぱりタクシーの運転はひどいですし、マナーが最低なのと同じで、ここウランバートルのタクシーの運転はひどいなんてもんじゃないです。 当然、タクシーに関するトラブルも多いです。 先日、日本留学組のモンゴル人のTさんと約束していたら「すいません、待ち合わせの時間にいけません」と携帯にメッセージが入りました。 結局、待ち合わせ時間の3時間後に会えたのですが、その理由を聞くと、タクシーに乗っていて、事故に巻き込まれたというのです。 彼の乗っていたタクシーが、交差点で対向車とぶつかり、彼はそのまま病院に行ったそうです。私と会った時には、足を引きずっていました。 「モンゴルのリスクというものを、初めて実感しました。やっぱり日本よりは怖いですね。」と、日本から戻ってからまだ半年のTさんは言ってました。 私は普段は自分の車を運転していますから、タクシーを使うことは少ないです。が、飲みに行く時は、タクシーで行きます。 昨日もそうでした。アパートの前でタクシーを拾って、待ち合わせ場所に向かいました。 前の車が青信号でも動かなかったので、かなり興奮して警笛を鳴らした後、赤信号(?)だったかどうかは知りませんが、勢いよく飛び出して右折すると、そこには警察官が待っていました。 運転手は降りて、警察官と話しています。「こりゃあ、時間がかかるな」と見切りをつけて、私はさっさと降りました。 もちろん、「すいません、ここまでの料金はおいくらですか?」なんてことを言う気にもなれません。なんせ荒っぽい運転でしたから。そして、別なタクシーを止めて、目的地へ向かいました。 実際、ルール違反やり放題のタクシーが多いので、警察官に止められているタクシーはよく見ます。 で、飲んで良い気分で帰ることになり、またタクシーを拾いました。ですが、このタクシー元気がありません。 随分低速走行です。見ると、燃料計はゼロを指しています。ガソリンが無くなるのを恐れているのでしょうか? 案の定、アパートまであと50メートルという交差点で、ついにストップしました。エンジンもかからず、動かないのです。 私はここまで来れたんだからと、料金を払って降りました。が、その交差点では、当然のごとくその車に対して警笛が鳴り響いてます。なんせ、交差点の真ん中でしたから。 タクシードライバーは、ほとんど現金を持っていません。ちょっと大きいお金を出すと、必ず全部取られます。お釣りは期待できません。彼らも、少しでもお金を稼いだら、ガソリンスタンドへ行って10000トゥグルグ分(7リットルくらい?)のガソリンを入れて、また営業に出かけるのです。 モンゴルのタクシーの良いところ、それは安さです。日本人にとってはもちろん安いですが、地元の人にとっても安い交通機関なのです。しかも白タクの方が、政府の決めた料金をちゃんと守っています。 悪いところは、正規のタクシーがインチキということです。あとは、壊れる、ガス欠、警察に止められる、などの確率が、日本で考えられる確率の100倍以上はあるということでしょう。 ちなみに、日本にいた時は、私は仕事上かなりタクシーに乗る機会が多かった方ですが、これらの問題は当たり前ですが、一度もありません。 これからのタクシー事情が、今後のモンゴルの経済発展に伴って、どう変わっていくのか興味があります。 香港のように、昔は「信じられないくらい安かった」タクシーが、あっと言う間に先進国並みになってしまうのでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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