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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2014.03.21
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カテゴリ:ユーラシアの歴史
クリミア半島が世界的に注目され、「タタール人」というモンゴル的には古い民族名も話題になっています。

ロシアや欧州では「タタール人はモンゴル人のこと」と誤解されていますが、モンゴルでは「タタール人とは、敵対する民族名」だということは、以前のブログでも書きました。

タタール(=モンゴル)、ロシア帝国そしてその動きを見つめる中国と、なんだか歴史が300年か800年くらい巻き戻されたような感じがしています。

たまたまですが、以前から買ったまま「積ん読」状態だった、司馬遼太郎の「ロシアについて」を読んでいます。これを読むと、いかにロシアがタタール(=モンゴル)を嫌っているのかがわかります。

ロシアの歴史を見ると、チンギスハーンはアジアからの侵略者の代表的存在と思われていますが、実際にはチンギスハーン以前、つまりモンゴル人以前からアジア系遊牧民族に略奪され続けていたのです。

なかでも有名なフン族は日本の歴史の教科書にも登場します。当時のローマ帝国にも大きな動揺と混乱を与えたんだそうです。そのフン族の主たる遊牧地はロシアだったのです。

その後現れたアヴァール人というのもかなり強烈だったようで、ロシア農村部が少しでも発展すると、略奪を繰り返していました。こういう経緯があって、ロシアは西ヨーロッパに比べて明らかな後進地域になったのです。

そしてその後が、ご存じモンゴル人です。「タタールのくびき」という時代が260年ほど続くのです。この時に現代ロシア人に共通する民族のアイデンティティが形成されたものと思われます。

一つは、「タタール憎し!」。この場合のタタールは、モンゴルだとかタタールだとか細かい民族名ではなく、アジア系遊牧民族の総称のような使われ方でしょう。

もう一つが「力こそ全て!周辺異民族に勝つには、武力しかない。」という信念のようなものです。「火力兵器が異常に大好き」というのも、遊牧民族に勝てた理由からのようです。

東の小島でのんびり暮らす日本人は「話せばわかる」という誠に平和的な信念がありますが、それは単に歴史的にラッキーだったということであり、決して「人類共通の価値観ではない」のです。昨今の東アジアの国々との対立を見れば明らかです。

今や強国となったロシアは、そうした長い歴史の中で昔のクリミアハン国を奪い取ったわけです。「あれは、帝政ロシアが憎きタタール人から奪った領土だ」と。

21世紀の現代に、そんなことができるかと恐る恐るやってみたら、「あら、不思議!」。誰も文句は言いません。ここでいう文句とは武力のことです。

「代償を支払う」なんて口だけの発言を数千キロ離れてテレビを通じて言うなんてことは、文句のうちにも入らないでしょう。

日本的な言葉を使うのであれば「話せばわかる」ではなく「やればできる」の方が正しい状況説明と言えます。そうです、意外なことですが、やればできるのです。それをロシアは痛感したことでしょう。


以下は、モンゴルからの情報をもとにしていますが、私が真偽のほどを直接確認したわけではないことをお断りしておきます。

ロシアの外務大臣(ホンマかいな?)が「クリミアの次は、モンゴルだな。」と言ったとか言わないとか。

タタール人の国を奪うことができたので、今度はタタール人(=モンゴル人)の本拠地であるモンゴル国もロシアに併合する時期が来たな、と言ってるようなのです。

いやー、いくらロシアでも、どこかのインチキ学者とかが言うならともかく、現役の外務大臣がそんなこと言うのでしょうか?

この話にはちゃんと「反応」もあって、エルベグドルジ大統領が「そんなことはありえない!」と反論したとか。本当ですか、モンゴルの皆さん?


更に更に、クリミア国編入を見ていた中国は「そうか、昔の領土を戻すだけなら欧米も本気で反対しないんだな」と理解し「外モンゴルを中国に復帰させる!」と言ったとか。中国人の論理は極めて明快です。

元々モンゴルというのは中国を形成する一つの民族にすぎなかった。歴史的に見ても、元を始めとして中国を舞台に活動していた中国の少数民族の一つである。

本来は中国の領土であるが、当時のソ連の画策で泣く泣く「外モンゴルだけロシアに奪われた」と考えているのです。

モンゴル人からするととんでもない歴史観ですが、こういう歪んだ歴史を全員が子供のころから学んでいるので、まともな議論にすらならないのが今の中国です。ま、ウィグルやチベットも含め「まともな議論」ができないところが中国の強みなんですけどね。


クリミア半島の騒動が、なぜか中露ともにモンゴルに目を向けるきっかけになっているのでしょうか?まさか「じゃあ、中露の話し合いで決める」なんてことにはならないでしょうけど。

アメリカやEUに武力行使を抑える力が判明したことにより、おかしな流動化の方法に流れないことを祈っています。





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Last updated  2017.10.13 10:53:52
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