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カテゴリ:日本とモンゴル(文化・交流)
カザフスタンに続いて、ウランバートルがNHK・BS番組の「世界街歩き」に登場しました。小倉久寛さんの優しい語り口で、現在のUBを1時間ほど案内してくれました。
基本的には非常にポジティブというか、良い面を見せようという感じの構成でした。ゲル地区なども紹介しましたが、厳しい住環境ではあるものの、地方から出てきた若者たちが頑張っているという前向きな面を放送ました。 UBははっきり言って、ちょっと切り口を変えれば多くの問題点を指摘しようと思えば簡単でしょうが、この番組の趣旨は「かつては大草原が広がり遊牧民が暮らしていた街は今、高層ビルが立ち並ぶ大都市へと変貌を遂げています」というメッセージで、良いところを引き出そうとしていると思いました。 こんな構成だったかを見ていきましょう。 最初は、地方から到着する鉄道から始まりました。ウランバートル駅を降りる遊牧民らがたくさんの乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)を持って、ウランバートルで売りに来ている様子が描かれていました。 ウランバートル駅へは何度も行きましたし、その近くの様子も懐かしいです。夏の撮影なんですから、馬乳酒売りを撮影してほしかったですが、それはなかったようです。 続いて、スフバートル広場の風景。通勤するビジネスマン(銀行員)に話を聞いたり、広場の様子を流していました。こう言ってはなんですが、全体に(本物よりも?)街は綺麗に見えました。 ウランバートルではおなじみの光景「路上体重計測定サービス」もありました。単に路上に体重計を置いてあるだけで、お客さんがそこに乗って体重を測るだけなんですけど、意外と昔から続いてます。さすがに路上電話サ-ビスは最近見なくなりましたけど。(皆、携帯を持っている) 街にはクルマが多く、中でもプリウスの中古車が圧倒的に多いことも伝えていました。「市内を走っている3台に1台はプリウスです」とデパート前でプリウスの窓ガラスを拭いていたプリウスオーナーは語っていました。 次に登場したのは、長身のモデルさんたちです。185cmとか182cmの女性で、モデル学校の生徒さんたち。このモデル学校は私が住んでいたマンションのすぐ近くだったので、良く知っています。残念ながら、そこの生徒さんは知りませんでしたけど。 1990年の民主化の時の歌(鐘の歌?)を歌ったゾクトサイハンも紹介されました。私も聞いたことがある歌ですが、その歌を訳詩付きでワンコーラス全部流してくれたのを見て、やはりいい番組だなと思いました。今は亡き彼が今の政治家たちを見てどんな気持ちになるだろうかと思ってしまいました。 その後は、ガンダン寺(モンゴルのチベット仏教の中心地)、ナラントールザハ(UB最大の市場)、建築資材や建設系職人が多いゾーンアイル、更には旭鷲山の「Kyokushu Beya」なる、子供たちの相撲教室も出てきました。 郊外の巨大チンギスハーン像も登場しました。ちなみに、この巨大像は現モンゴル大統領であるバトトルガ氏が建設したものです。 郊外では遊牧民のゲルを訪ねました。そこにはソーラーパネルとパラボラアンテナがあり、テレビを見ることもできると伝統的なゲルのイメージに意外性を持たせるような光景を流しました。 ウランバートルの定番観光スポットを紹介した後は、ゲル地区へ行きました。さすがにスフバートル広場と比べるまでもなく、厳しい住環境が想像されます。 ですが番組はこの地域を「地方から大きな希望を抱いてUBにやってきた若者が最初に住む場所」という位置づけにし、靴作りで頑張っている若い夫婦を紹介したりして、あまりネガティブなイメージにはしていなかったのは、なかなか配慮しているなと思いました。 食べ物ランキングは、3位ボーズ、2位ツイヴァンと来たので1位はホーショールかと思ったらチャンスン・マハつまり茹でた骨付き羊肉でした。 そして最後はホコ天での女子会の様子でした。歩行者天国というのは、ソウルストリートのハーンバンク本店付近が夏の夜に歩行者天国になるということです。 道路の真ん中に屋台やテーブルが出てきて、夜遅くまでお酒を飲んでいる人たちで賑わっている様子でした。中でも、女性たちだけで10人ほどが楽しそうにビールを飲んでいました。こうした光景も、女性が躍進するモンゴルのイメージを出していると思いました。 基本的にはほぼ全て私も訪れたことがある場所でした。映像も綺麗でしたし、ウランバートルのイメージ向上には貢献できる内容だと思いました。 NHKはこうした良質な番組を提供できるんだなと、改めて思いました。ただ現実のUBはもう少し・・・ま、それは今日は止めておきましょう。 今日の放送を見逃した方も、恐らく近いうちにBS3チャンネルの朝の時間帯で再放送があるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私も見ました。ありのままのモンゴルを紹介しているようで、好感が持てました。ただ一つ、疑問に思ったのはチャンスン・マハです。映像では、圧力鍋の中に肉の塊と石、ニンジンなどの野菜が見えました。これは正しくはホロホグではないでしょうか。チャンスン・マハは、単に肉の塊を塩ゆでしただけのもののはずです。
(2017.10.11 08:41:15)
仙台ざらあさん、ありがとうございます。
実は私も同じことを感じました。見た瞬間、「ホーショールじゃなくて、モンゴル料理の王様ホルホグ!」かと思いました。でも、モンゴル人コーディネーターが二人もいるのですから、私レベルの知識では足りないのかなと思った次第です。 チャンスン・マハは単なる塩ゆで、炒めた肉がシャルスン・マハですからね。 但し、敢えて「ホルホグではない」という理屈を探せば「ホルホグは羊(または山羊)を丸ごと1頭使う」という定義だとすると、もしかして「これは丸ごと1頭は使っていません」という理屈なのかも。 (2017.10.11 09:17:50)
全般的に上手く仕上げたムービーでした。
数年前に、とある局より見せてもらった撮影用絵コンテにも近い内容でした。予め、視聴者が期待している内容を順番に見せていく感が有りました。 視聴者が期待している画像を見せるのは悪くない事だと思います。 下手にバランスを取ってしまうと、番組シリーズの主旨に合わなくなってしまうのでしょうね。 (2017.10.12 22:25:45)
応援していますさん、ありがとうございます。
そうですね、特別なモンゴル特集番組ではなく、世界の街を紹介する番組ですから、オーソドックスな内容だと思います。それはそれでいいですね。 (2017.10.12 22:51:04) |