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カテゴリ:モンゴルの生活(イベント、季節)
世界最大級の銅・金鉱山であるオユ・トルゴイ(OT)に関連して、元首相2人が当局から拘束されたとのニュースがありました。(1か月ほど前のニュースのです)そのうちの一人はサイハンビレグです。
サイハンビレグ(写真左)と言えば、ほんの2年前まで首相であった人であり、40代の若手イケメン政治家です。 私のブログにもこの名前は何度も登場しており、来日した時の印象もかなり良かったので、「サイハンビレグよ、やっぱりお前もモンゴル人政治家だったんだ!」と思ってしまいました。 (2015年2月10日付け、「日本・モンゴル・ビジネスミーティングに行ってきました。」https://plaza.rakuten.co.jp/mongolmasami/diary/201502100000/ 参照) この講演の時はまだ45歳で、しかも前任のアルタンホヤグが最悪の首相だったので、私もそのルックスとさわやかな弁舌に騙されたんですね。 もちろんそんな私と違って、その頃も周りのモンゴル人は「誰がやっても、悪いことするに決まってるじゃない」と政治家=賄賂が当たり前になっているモンゴルを言い当てていましたけど。 当然ですが当時のサイハンビレグは、「腐敗をなくす」「外資の信用を回復させる」と宣言し、この講演の後にOTの方向性も決めると言ってました。 今回の賄賂の疑いは、まさにこのOT関連ですから、この頃OTとは表と裏でいろいろ交渉していたのでしょう。 今回の報道では、「独立反腐敗対策庁」とでも訳すのでしょうか、IAACという組織からの召喚命令によりサイハンビレグが4月9日にアメリカから帰国した所を拘束されたとあります。 元首相や元大統領がアメリカで豪勢な生活をしているというのは、モンゴルでは結構定番の話となっています。「カリフォルニアのプール付き豪邸をどうやってモンゴルの首相の給料で買えるのか?」なんて、子供でも答えがわかりそうな話です。 他にも何人もの元高級官僚がOT投資協定に関連した贈収賄事件で拘束されているとのことですから、一人で否認したところでいつかは明確に暴かれることでしょう。 写真右はバヤル・サンジ元首相です。この人は2007年から2009年に首相だった人で、やはり今回拘束されたようですが、頑なに無罪を主張しているとのこと。 基本的にモンゴル人の多くは「俺が悪いんじゃない!」と強く主張するのは得意ですから、こちらの方も時間の問題かもしれません。 今回のニュースで感心したのは、このIAACという機関がちゃんと機能しているんだということです。 とはいえ、これは当然政治的思惑もあることでしょう。現政権は人民党ですし、サイハンビレグは民主党というのは、見慣れた構図です。 今回もしこの2人の元首相の賄賂が認められたなら、賄賂を贈った側の問題にもつながってきます。つまり、OTの責任です。 OTの誰かが個人的に逮捕されるのか、それとも会社として紛糾されるのか?その場合、リオ・ティントはどうなるのか?責任はあるのか? 多分、リオにまでは追及は及ばないのではないかと思います。せいぜい、OT側の幹部1人か2人が逮捕されるくらいじゃないでしょうか?リオとの契約の無効性まで進めてしまったら、モンゴル経済そのものへの影響が大きすぎますから。 10年前はともかく、今もモンゴルの政治家による賄賂要求は依然として進行中であることがよくわかる報道です。 政治的な目的以外でも、常にIAACには目を光らせてほしいものです。できれば、小さな役所にも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.05.08 16:11:36
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