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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2018.08.21
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児童文学者の大塚勇三さんがお亡くなりになられたそうです。97歳の大往生でした。

大塚さんの代表作はモンゴル民話「スーホーの白い馬」です。この「スーホーの白い馬」に関しては、もともといろいろと疑問がありました。

一つは日本人側の話です。「えー、知らないんですか?」と聞かれることが度々ありました。

多くの日本人の話を総合すると、小学校か中学校か知りませんが、とにかく学校で習ったと言います。「悲しい話で泣いちゃった」という人もいるほどです。

なんですけど、私自身は全く聞いたこともない話なんです。年代の違いなのか、地域の違い、或いは私が全く覚えていないのが原因なのかわかりませんが、とにかく全然わからないのです。

もう一つはモンゴル人側の話です。日本語を話せるモンゴル人からよく聞くのが「なんで日本人はスーホーの白い馬の話を聞くのですか?私たちは全然知らないんです。日本では有名なんですか?」というものです。

私はモンゴル人に聞かれても、「そもそも私も知らないんだから、何のことかさっぱりわからない」としか返答できませんでした。

それが今回の作家さんの死亡記事をきっかけに調べてみて、なんとなくわかりました。まずはモンゴル側のことです。

どうもこの話の大元は、モンゴル(つまり北モンゴル)ではなく、南モンゴル(いわゆる内モンゴル)が起源のようです。この亡くなられた大塚さんは、1967年に中国語のテキストから見つけ出したのを出版したのだそうです。

より調べてみると、やはり話そのものも内モンゴルにあるシリンゴル盟の話ということで、ハルハ(現在のモンゴル国)とはずいぶん離れた場所お話なのです。

「日本人なら誰もが知っている話」というのも、この出版の後に小学校の教科書に載ったのでしょうから、恐らく私の世代は間に合わなかったんじゃないかと思います。

なので不思議な現象が起こるわけです。「日本人なら誰でも知っているモンゴルの話」と言いながら、「モンゴル人は誰も知らない」。

日本人からその話を聞いたモンゴル人が「モンゴルに詳しそうな私」にどういう話?と聞かれても、私は全然知らない、ということなのです。


実はこれに近い話がありました。それは「フランダースの犬」です。

私はベルギー人、ベルギー国と10年ほど仕事をしましたが、日本にいるベルギー人に必ず聞かれるのが「日本人はベルギー人を見ると必ずフランダースの犬ですね」と言うということです。

ところがほとんどのベルギー人はそんな話は知らない。というか、私は未だに「日本に来る前から、または、日本人と会う前から」この話を知っていたベルギー人とは会ったことありません。10年間で1度もありません。

で、調べてみると、この話はベルギーの童話ではなく、イギリス人が1872年に書いた話なんですね。なので、そんなに古い話をもともとはベルギー人も日本人も知らないわけです。

ですが、日本では1975年からアニメとしてテレビで放送されたので、一気に有名になったわけです。

それで日本人はてっきりこれはもともとベルギーに伝わる童話だと思うから、ベルギー人を見ると「知ってますか?」と聞くわけです。

ベルギー人からすればそんな100年以上も前に異国で書かれた話なんて知る由もないということです。もちろん舞台はベルギーであることは間違いありませんけど。

日本人が世界で知っている話は、ガラパゴスのように日本国内でしか通用しない場合がある、ということをわかっておいた方がいいですね。





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Last updated  2018.08.21 19:35:07
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