田崎正巳のモンゴル徒然日記

例の外国人労働者受け入れビザの件ですが、安倍さんは強硬的に法案を通しました。なので、来年４月から新制度での外国人労働者受け入れは正式に決まりました。

私は個人的には日本が今その制度を作るべきかどうかには疑義があります。が、できしまったからには、モンゴルとしてどうその制度を生かすかを考えないといけないと思っています。

先のブログでも書きましたが、モンゴルでは相当な希望者が出てくるだろうということは予想されます。

ところが、そんな見込みを吹っ飛ばしてしまうかもしれないようなニュースが先ほど飛び込んできました。それは次のような内容です。

「政府は改正出入国管理法に基づき、2019年4月に新設する在留資格「特定技能」を巡り、まずはベトナムやフィリピンなどアジア8カ国から外国人労働者を受け入れる。19年3月までに情報共有などを定める2国間協定を結ぶ。」

この記事の他の部分もよく読むと、どうも来年４月からスタートするのは政府間で協定を結んだ８か国だけになりそうなのです。

現在の技能実習生制度の評判があまりにも悪いので、派遣元の国と受け入れ側の日本での管理を強化できるところから始めようというのではないかと思います。

なのでこの８か国に入っていないと、将来はともかく来年はそもそも労働者ビザは認められない可能性が大きそうです。

「現在、技能実習を受けている実習生は8カ国以外でも新資格に移行する場合がある。」なんて書き方しています。

この言い方は、「原則８か国だけだけど、既に技能実習生としてきている人は対象になる場合がある」と言う意味に受け取れます。なので、この８か国にモンゴルが入っているかどうかが重要です。

８か国とは、ベトナム、中国、タイ、カンボジア、フィリピン、ミヤンマー、インドネシアの７か国です。「残り1カ国は調整を続けている。」とあります。なんか思わせぶりですが、とにかく残りは１か国しかないようなのです。

残り１か国はどこか？普通に考えれば「たくさんの労働者を送ってくれそうな国」でしょう。そうなると、過去の実績を考えるとバングラディシュ、ネパールあたりでしょうか。

カンボジアが入っているので、もしかしてラオスも候補かもしれません。人口で考えると、モンゴルは対象外の可能性大です。

これは困ります。せっかく制度ができるなら、モンゴルも入りたいです、というのが私の本音です。さてどうするか？唯一の望みは？

偶然も偶然ですが、実は明日１２日にフレルスフ首相が来日します。当然、安倍さんにも会うでしょう。ということで、私は先ほど「首相に対象８か国に入れるように強くプッシュすべきだ」と来日同行者に伝えました。

そもそもモンゴルの首相がこの制度にどれほど関心があるかもわかりませんが、せっかくできる制度なんですから、とりあえずはモンゴルも選ばれたいです。人口ではとても適わないので、私は次のような「主張」を伝えました。

「在日留学生の中で、モンゴルからの留学生は対人口比で世界一である。モンゴル人は日本で勉強する意欲が高いので、将来的にも日本においていい人材になりうる」というのと「二か国間EPAを結んでいるんだから、当然モンゴルは優先的に考慮されるべきである」と。

さすがにこの問題で、国の首相が安倍さんに直訴する国はないでしょうから、この偶然のタイミングを最大限に利用してほしいと思います。明日、日本に到着したら、この件で再プッシュしたいと思います。

ただ、モンゴル国内で政争に明け暮れているフレルスフ首相がどれだけこのことに関心を持ってくれるかはわかりません。でも、安倍さんの目の前で「騒ぐ」価値はあると思います。