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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2019.08.09
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「昔の面白いブログシリーズ」の第20回目です。2012年1月25日付けの「モンゴル人の心の中?(2)」を載せます。

世界に散在しているモンゴル帝国の末裔たちに語り掛ける、モンゴル人の想いが2回に渡って書かれてます。2回目です。

以下、掲載します。


声明はさらに続きます。


「現在、戦士の血を受け継ぐ1000万人以上のモンゴル系民族は世界中に散らばって生活している。民族の故郷を守っている300万人に満たないモンゴル人は、民主化革命から20年にわたり、世界の近代的モデルにより国を治め、12万人以上のモンゴル人が国を飛び出し知見を広げ、財を蓄えて生活を向上させ、また学識を深めて帰国し、祖国の発展に貢献している。」

と現状を認識しています。続いて、

「モンゴル人は自分たちの民族が世界帝国を築いた歴史を誇りを持って語る。モンゴル人は蒙古斑を持つ兄弟たち(モンゴル系民族)がモンゴル民族の故郷に帰ってくることを、口には出さないがずっと待っている。これは歴史上、その時、その時のモンゴル人が心の奥底にしまってきた願いだ。私達は長年、少ない人口で貧しく過ごしてきた。私達の力が足りなかった。実際のところ、民族の火を絶やさないように守るだけで精一杯だったと言っていい。」

と語ります。「蒙古斑を持つ」を象徴的な言葉で使っています。実は蒙古斑を持つのは、モンゴル人だけでなく、朝鮮民族もそうですし、われらが日本人もそうです。

ですが、元々の漢人にはないと言われています。(現在は混血などで、見られる場合もあるそうです)ですので、ここで蒙古斑を強調するのは、「モンゴル民族の象徴」であると同時に「中国人ではない」というアイデンティティも含まれていると思います。

「民族の火を絶やさないで守るだけで精いっぱいだった」という文章に心打たれました。歴史上、教科書的に言う「北方の騎馬民族」というのはたくさんいました。

中国側から見ても匂奴,鳥桓,鮮卑,突欣,蒙古などたくさんいますし、女真、スキタイ、キンメリア、フン・・など、数多あったわけです。

その中で、今も民族国家として独立した存在でいるのは、モンゴルだけなのです。他のほとんどは、中国に吸収されたり、漢人に同化されたりして、独立した存在ではなくなっているどころか、存在そのものもないのです。



この呼びかけは、今は経済発展をしてまさに世界中のモンゴル人に戻ってきてほしいという言葉が続きます。首相も大統領もそれを待ち望んでいると。そして、こう続きます。

「モンゴル人の姿を見て、モンゴル語で話すのを聞いて、涙を流しながら歓迎しているモンゴル系民族は故郷からはるか遠くに離れて住んでいる。彼らは民族の故郷であるモンゴル国の発展や自由な生活について聞くと喜んでいる。彼らはモンゴル人を信頼している。モンゴル人の心の底にある彼らへの思いを今こそ行動に移す時だ。彼らの消息を聞いて、座って泣いているだけではなく、彼らの座る席を用意して、共に発展する時代を私達は実現すべきだ。」

と長い間離れていた遠く離れた民族に声をかけているのです。

翻訳者のTulgatさんによれば、「モンゴル系民族は、モンゴル国、中国・内モンゴル自治区、ロシア・ブリヤート共和国以外にも、アフガニスタンのハザラ人、モゴール人のように、モンゴル帝国時代にモンゴルから派遣されたモンゴル軍の末裔や、ロシア・カルムイク共和国のカルムイク人のようにモンゴル帝国以降の歴史に翻弄され、移住した民族もいます。」とのことです。


この一連の声明文を呼んで、シオニズムを思い出しました。世界中に分散してしまったユダヤ人たちが、いつかは自分の国に集まって暮らしたいという復興運動です。それはイスラエルという国で実現されたわけですが、今も大きな問題を抱えています。

モンゴル人の場合は、既に「民族国家」があるわけですから、これから戦争をする必要はありません。

だからと言って、モンゴル国に戻れば、単純にそれでいいのかというわけでもありません。声明では

「この問題は、感情に流され、安易に考えてはいけないことは皆さんも私達もよく理解している。何百年も遠ざかっていた感情、言葉、文化的違い、また人口が多いほうに吸収されてしまう可能性などを考慮しなければならない。」

という懸念も発しています。

人口が多い方に吸収されるという表現は、人口が倍ほどもいる内モンゴル人と一緒になるということは、中国に同化してしまったモンゴル人たちと同化する可能性があるとの警告のように感じられます。

元世界大国、現人口小国の置かれた立場を理解しないと、モンゴル人の誇りや行動を理解しにくいかもしれません。

建国以来、そのほとんどを大陸から離れた小さな島国で過ごしてきた日本人と根本的に違うのは、当然のことなのです。


(完)





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Last updated  2019.08.14 11:16:22
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