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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2019.10.16
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本ブログとは別の「徒然散文記」(著者同一)というのがYahooブログにありますが、そのYahooブログが間もなく閉鎖さるとのことで、一部転載します。

以下、2007/10/5付け「曖昧な国境の犠牲はだれ?」を掲載します。




近代になって世界は狭くなった、と言われますが本当かなと思うことがよくあります。確かに飛行機をはじめとした、交通機関の整備で庶民には行けるはずもなかった遠い国へひとっ飛びできるようになったのは確かです。

ですが、反面国家の概念が強くなってきたことで、今まで自由だった隣の国へ気楽に行けなくなったのも事実です。また、正式な手続きを経れば行けるけれども、ほとんどの人にとっては不自由になったという側面もあると思います。

国家に保護されるという概念も、昔は徴税くらいしか国民と統治者の関係は無かったですが、今は重要な要素になっていると思います。

琉球王国は海洋国家として中国、フィリピン更にはインドネシア方面まで自由に行き来していましが、今は同じ事をするにも手続きが面倒でしょう。

アイヌは北海道だけの民族ではなく、北方4島にもその先のアリューシャン列島にもいましたし、樺太アイヌもいました。彼らは、お互い自由に行き来して、アラスカのエスキモーの人たちとも交流があったそうです。もちろん、今は手続きをしたって無理なことの方が多いでしょう。

クルド人に至っては、1000万人以上もいるのに近代国家が国境なるものを作って、トルコ、イラク、シリア、イラン、ロシアなどに分断され、どの国へ行っても「少数民族」扱いで、国境を越えるような行動の自由はほとんどありません。

で、話はカンボジアです。

インドシナ半島は、もちろん近代国家として国境は明確になっていますが、昔は自由に行き来でき、不法滞在などの概念もありませんでした。インドシナ半島最大の湖(琵琶湖の15倍だそうです)であるトンレサップ湖も自由に行き来できる水産資源の宝庫だったのでしょう。

この湖は、乾季には3000平方kmでしかないのに、雨季になると川が逆流して16000平方kmにもなるのだそうです。面積が5倍にもなり、水深も10倍近くにもなるので、湖の景色そのものは一変するのだそうです。

ここは明らかにカンボジアの国土内ですが、もともと東南アジアでは水上生活者というほとんど陸地に降りることなく一生を過ごす人たちがいます。

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  • 陸地ですと、ここからここまでがカンボジアという認識はしやすいですが、これだけの大きな湖となると・・・どうなんでしょうか?この湖はとても豊かで漁獲高は世界的に見ても湖としては4位に位置づけれられるほどだそうです。

    img_1 (2).jpg

  • 水上生活者の家です。

    お隣ベトナムにも当然、水上生活者がいます。しかも、「隣の国は仲が悪い」のルールどおりに、ベトナム人はカンボジア人にとても嫌われています。ですが、ベトナムの水上生活者も、メコン川、トンレサップ川を通じてこの豊かな湖にやってくるわけです。

    昔からそういう人々はいたそうですが、ベトナム戦争の頃、難民として急増したという話もあります。彼らにとっては、国境は見えないし、同じ水上生活してるので豊かなところを求めるのは当然でしょう。

    水上生活者の集落というのは、見たことない人には想像できないくらいになんでもあります。

    img_2 (2).jpg

  • これは日用品を売ってる小売店です。

    集落は湖上に170もあると言われており、小売店は当然のこと、学校、病院、役所もあるそうです。学校などの対象は当然カンボジア人なので、ベトナムからの水上生活者が問題となってきます。

    彼らは、近代国家としての教育などの恩恵を受けることなく、子供たちは毎日水遊びするか観光客への物売り(バナナ一房1ドル)をする程度です。

    img_3 (1).jpg

  • これは1ドルと叫んで、バナナを売るベトナム人少女です。こちら側の船に上がることは許されないので、船の淵で売ってます。

    不法入国というにはあまりに人数が多すぎ、管理不能な人たちですから、今後一体どうなっていくのでしょうか?特に子供たちは、近代化へまい進するベトナム本国からも置いていかれ、カンボジアから見れば嫌いな異国民ですから、だれもケアできないような気がしました。

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  • 隻腕の少年。教育機会はなさそうです。

    国家、国民という単位が厳密ではなかった時代、教育などが大した意味を持たなかった時代ならいいのでしょうが、21世紀になってはそうもいきません。こういうエアポケットのような地域は、きっと世界各地にあるのだろうなと思いました。

    多くの問題は、それぞれの国が解決しようとしているんでしょうが、国家と国家との間に埋もれた人々に光を当てる人はいないのでしょうか?





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    Last updated  2019.11.10 10:16:04
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